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井原正隆特任教授(創薬科学研究センター・原虫疾患研究室)のコメントが『月刊化学』に掲載されました。

2015/11/30

 北里大学の大村智先生、米ドリュー大学のウイリアム・キャンベル博士と中国中医科学院の屠呦呦(トウ・ユウユウ)先生に2015年のノーベル生理学・医学賞が授与されました。大村先生とキャンベル博士の功績は線虫感染症治療薬であるエバーメクチンの発見で、一方屠先生の受賞理由は「マラリアの治療法に関する発見」で、ヨモギの成分であるアルテミシニンの発見とその抗マラリア薬としての開発です。

 マラリアはプラスモディウム属原虫の寄生による疾患で、熱帯・亜熱帯地方では毎年億単位の人々が苦しんでいる致死率の高い感染症です。マラリアはハマダラカによって媒介され、ヒトに感染するマラリアとしては、熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリアの四種が知られています。この内で最も危険なものは熱帯熱マラリアで、これによって引き起こされる脳性マラリアによって毎年多くの幼い子供達が亡くなっています。また、三日熱マラリアは特にアジアで蔓延している難治性のマラリアで、三日熱マラリアを媒介するシナハマダラカは日本全土に多数生息しています。熱帯熱マラリアを媒介するコガタハマダラカは熱帯・亜熱帯地方に成育していますが、既に沖縄でも観察されており地球の温暖化に伴って感染地域の拡大が危惧されています。また、ビジネス、観光、防衛などの急速なグローバル化で先進国への伝染が心配されています。

 マラリアの予防と治療にクスリが果たす役割は大きく、キナの樹皮から得られるキニーネは特効薬として注目されましたが、その効力は不十分です。その後クロロキンなどの幾つかのクスリが開発されましたが、これらに耐性を示す原虫が現れて現在の深刻な状態が醸成されています。アルテミシニン及びその半合成薬は薬剤耐性マラリア原虫によく効くことから、今回ノーベル賞が授与されました。しかしながら、アルテミシニンに対しても耐性を示すマラリア原虫が既に見つかっており、別の作用機序を持つより有効で安全な新しいクスリが求められています。

 ヒトとマラリアとの戦いは未だ終わりが見えず、これからを担う若い創薬研究者の活躍が期待されています。我が原虫疾患研究室ではマラリア原虫の増殖に必須なミトコンドリアをターゲットとする新たなクスリの開発に挑戦しています。

                                                                                  創薬科学研究センター・原虫疾患研究室
                                                                                  井原正隆特任教授

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