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服部喜之准教授(医療薬剤学教室)の研究が日経産業新聞(4月21日付)に掲載されました。

2016/04/21

“核酸医薬 効率良く肝臓へ”

 RNA干渉は、細胞内に二本鎖RNAを導入すると、二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される現象です。この現象を利用し、人工的に合成した短鎖二本鎖RNA (siRNA)を細胞内に導入すると、任意の遺伝子の発現を抑制することができます。siRNAは配列を変えるだけで様々な分子を標的とすることができるため、現在、抗がん薬により治療効果を示さない難治性のがんに対する新規治療薬としてRNA医薬品(核酸医薬)の開発が期待されています。しかしながら、siRNAは生体内で容易に分解されることや細胞膜透過性が低いことなどの問題点があり、siRNA溶液をそのまま投与しても、がん組織にsiRNAを有効濃度にまで送達させることは非常に困難です。siRNAを生体組織に導入する方法として、正電荷リポソームを用いたリポフェクション法があります。しかしながら、正電荷リポソームを用いてsiRNAを静脈内投与すると、赤血球などの血球成分と凝集し、肺に集積してしまう欠点がありました。そのため、肝臓がんや肝転移がんなどのがん組織へsiRNAを送達させるためには、投与後に血液中で血球成分との凝集を回避することが必要です。

 我々の研究室では、肝転移がんに対する新しい治療法を開発するために、siRNAを肝臓のがん組織に効率よく送達できるドラッグデリバリーシステムの開発に取り組んできました。今回は、乳がんを肝臓に転移させた肝転移マウスにコンドロイチン硫酸というムコ多糖を静脈内投与し、その直後に正電荷リポソームを用いてsiRNAを投与すると、肺でのsiRNAの集積が消失し、肝転移したがん組織を含む肝臓全体に、少ない副作用でsiRNAを送達できることを明らかにしました。さらに、がんの転移を抑制するsiRNAを本方法により肝転移モデルマウスに投与すると、転移がんの増殖を抑制できることも判りました。

 抗がん薬を用いたがん治療は、副作用が多く、また抗がん薬に耐性となる問題もあります。抗がん薬が効果を示さない難治性のがんに対して、siRNAを用いた新しいがん治療方法を開発し、医療に貢献できるよう努力を続けたいと考えています。

2016年4月21日
服部 喜之

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