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涙の分泌制御の仕組みを解明〜ドライアイの治療薬開発に向けた新たな標的分子の発見〜

2016/07/14

 この度、本学先端生命科学研究所生命科学先導研究センターペプチド創薬研究室の塩田 清二 特任教授、および富山大学大学院理工学研究部(理学)の中町 智哉 助教らの研究グループは、涙の分泌に関わる新たな機構を発見、解明しました。この研究成果はNature Communications誌に掲載されました。

研究の概要:
 涙液分泌量の低下は眼球乾燥症(ドライアイ)の主な原因となっており、涙液分泌の制御機構を明らかにすることはドライアイ患者への効果的な治療法の確立に向けた重要な研究課題です。しかしながら、これまでに涙液分泌を促進させる有効な治療法の開発はほとんど進んでいませんでした。

 塩田清二 特任教授と中町智哉 助教らの研究グループは、神経ペプチドの一種である下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)の遺伝子欠損マウス(PACAP KOマウス)が加齢に伴って角膜傷害や涙液分泌量の低下といったドライアイ様の症状を示すことを発見しました。このことからPACAPには涙液分泌促進作用があると考え、PACAPをマウスに点眼したところ、涙の分泌が点眼開始15分から45分まで有意に増加しました。また、ドライアイ様症状を示したPACAP KOマウスでもPACAPを点眼することにより、涙液分泌量が回復し、さらに連続で点眼することで角膜傷害の進行を抑制することができました。

 PACAPによる涙液分泌促進メカニズムを解析したところ、PACAPは涙腺で発現する水チャネルの一種であるアクアポリン(AQP)5に作用し、AQP5を細胞質から細胞膜に移動させることにより、細胞膜上に水の通り道を作成し、涙液分泌を促進することを明らかにしました。本成果より、ドライアイなどの乾燥性疾患の原因解明とPACAPの創薬展開が期待されます。

発表雑誌:
雑誌名:「Nature Communications」
論文タイトル:PACAP suppresses dry eye signs by stimulating tear secretion
著者:Tomoya Nakamachi, Hirokazu Ohtaki, Tamotsu Seki, Sachiko Yofu, Nobuyuki Kagami, Hitoshi Hashimoto, Norihito Shintani, Akemichi Baba, Laszlo Mark, Ingela Lanekoff, Peter Kiss, Jozsef Farkas, Dora Reglodi, Seiji Shioda
DOI番号:10.1038/ncomms12034
リンク:http://www.nature.com/ncomms/2016/160627/ncomms12034/full/ncomms12034.html

 

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