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血液で乳がん患者の予後を予測できる方法を発見 〜臨床応用へ期待〜

2016/12/07

 現在、日本人女性で乳がんを患う人が増え続け、12人に1人が乳がんになると言われています。主たる乳がんは、手術による切除と前後してホルモン療法やハーセプチン®などの分子標的療法による治療が行われています。トリプルネガティブ型乳がんは、乳がん患者の中でも10-15%ほどと言われていますが、前述の治療法では効果がなく、投薬による治療では現在のところ通常の抗腫瘍薬による化学療法しか選択肢がありません。さらに、乳がんの中でも比較的予後が悪いことも知られています。

 本プロジェクトの中心で携わった一人である薬理学教室大学院4年生の相良篤信さんは、がんにESM1遺伝子を多く持つトリプルネガティブ型乳がん患者が、同遺伝子の少ない患者と比べて予後が悪いことに着目しました。そこで我々は、トリプルネガティブ型乳がん細胞を移植した動物の血液中から同遺伝子が作るタンパク質であるエンドカン(endocan)の検出を試みました。ESM1遺伝子を多く持つトリプルネガティブ型乳がん細胞は、少ない細胞に比べて腫瘍の成長も顕著に早く悪性度が高いことが明らかになったと同時に、前者を移植した動物の血液でのみエンドカンが検出されました。このことから、トリプルネガティブ型乳がん患者の血液からエンドカンタンパク質の量を測ることによって、患者の予後を予測できる可能性が考えられました。またこれら細胞のESM1遺伝子の上昇には、DNAの脱メチル化が関わっている可能性も示唆されました。以上のことから、血中エンドカンの測定は、血液検査という簡便な方法で乳がんが悪性しやすいかどうかを見分ける方法として、今後の臨床への応用が期待されます。

 本報告は、乳がんのトップジャーナルであるBreast Cancer Research and Treatmentのオンライン版に掲載(http://link.springer.com/article/10.1007/s10549-016-4057-8)されました。また、臨床への期待が高いことから、Mammary Cell News、薬事日報、日経産業新聞など国内外のメディアに取り上げられる運びとなりました。本研究は、文部科学省私立大学戦略的基盤形成支援事業(平成26年度〜平成30年度)により実施された研究です。

2016年12月7日
星薬科大学先端生命科学研究センター   加藤良規
星薬科大学薬理学教室 先端生命科学研究センター    成田年

 

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