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受賞情報

森美貴子さん(薬理学教室 薬学部 6 年)が日本薬学会第137年会にて学生優秀発表賞を受賞しました

2018/01/21

日本薬学会第137年会 学生優秀発表賞を受賞して

薬理学教室 薬学部 6 年
森  美貴子

 日本薬学会第 137 年会 (2017 年 3 月 24~27 日) におきまして、学生優秀発表賞を受賞いたしました。受賞の発表タイトルは「がん悪液質モデルマウスの全身性代謝障害における脳内グリア細胞の役割」です。このような栄誉ある賞を頂けて非常に光栄です。以下に研究の概要を紹介させていただきます。

 がん悪液質は、末期がん患者の過半数以上に認められる複合的な消耗性代謝障害であり、治療抵抗性や QOL の低下が臨床上問題となっています。一方、視床下部は生体の恒常性維持に重要な脳領域です。また、グリア細胞は、神経細胞と共に脳機能の維持に携わり、近年、グリア細胞の機能異常が様々な中枢神経疾患の発症に寄与していることが報告されています。そこで、本研究では、がん悪液質状態下の視床下部グリア細胞の変容について検討を行いました。はじめに、Lewis lung carcinoma 細胞をマウスの右腹側部に皮下移植し、悪液質様症状を示す、がん悪液質モデルマウスを作製しました。このマウスを用いて、視床下部領域におけるグリア細胞の活性化の有無について検討を行ったところ、ミクログリアの著しい活性化が認められました。さらに、視床下部ミクログリアの細胞分離を MACS 法、FACS 法に従い行ったところ、がん悪液質群において、CD11b+ CD45low 分画の脳常在性ミクログリアのみならず、CD11b+ CD45high 分画の骨髄由来細胞の著しい増加が認められました。このような条件下、がん悪液質状態下の視床下部ミクログリア特異的な遺伝子発現変化について、CD11b+ 細胞を分取し解析を行ったところ、TLR-4 および COX-2 の有意な発現増加が認められました。また、神経傷害性を示すM1 型関連遺伝子である IL-1β および IL-6 の有意な発現増加ならびに神経保護性を示すM2 型関連遺伝子である IL-4 および TGF-β の有意な発現低下が認められました。次に、視床下部アストロサイト特異的な遺伝子発現について細胞を分取し、解析を行ったところ、がん悪液質群においてCOX-2 および CXCL12 の有意な発現増加が認められました。以上、本研究より、がん悪液質状態下の視床下部ミクログリアの活性化状態において神経傷害性を示す M1 型への転化が引き起こされている可能性が示唆されました。このような視床下部におけるアストロサイト−ミクログリア相互作用による代謝調節関連神経細胞への負の影響が、がん悪液質状態の全身代謝障害の増悪化に寄与している可能性が示唆されました。今後もこの成果をさらに展開させ、がん悪液質の病態解明のさらなる発展の一助になることを期待しております。

 最後に、本研究の遂行にあたり、多大なるご指導、ご鞭撻を賜りました薬理学教室の成田教授をはじめとする先生方および先端生命科学研究センターの先生方に厚く御礼申し上げます。

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