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受賞情報

栗坂知里さん(微生物学研究室博士課程4年)が日本薬学会第138年会にて学生優秀発表賞を受賞しました

2019/02/21

日本薬学会第138年会学生優秀発表賞を受賞して

微生物学研究室博士課程4年 栗坂 知里

 この度、日本薬学会第138年会 (2018年3月25日〜28日) におきまして、学生優秀発表賞を受賞いたしました。このような栄誉ある賞を頂きまして大変光栄に思っております。受賞演題名は「黄色ブドウ球菌由来SSL5とMMP-9の結合における糖鎖の関与とその特性」です。以下に研究概要を紹介させて頂きます。

 微生物は感染宿主の中で生き延びるために、さまざまな手段で免疫系に対抗しています。黄色ブドウ球菌は感染症の原因菌として広く知られており、MRSAなどの多剤耐性菌の出現は深刻な社会問題となっています。当研究室では、黄色ブドウ球菌が産生するStaphylococcal superantigen-like protein (SSL) と呼ばれるタンパク質群に着目し研究を行なっています。これまでの研究で、SSLの一つであるSSL5が白血球(好中球)の分泌するマトリックスメタロプロテイナーゼ-9 (MMP-9) と呼ばれる酵素に結合し、その活性を阻害することが明らかにされました。MMP-9は、白血球が微生物を攻撃するために感染部位に移動するときに必要な酵素なので、阻害物質の分泌は、黄色ブドウ球菌の免疫系からの回避に役立つと考えられています。また、SSL5とMMP-9の相互作用には、MMP-9に含まれる糖鎖末端のシアル酸残基が関与していることが示されました。本研究では、SSL5-MMP-9相互作用におけるMMP-9の糖鎖の役割についてさらに詳しく解析しました。糖鎖修飾酵素 (PNGase F) や糖鎖合成阻害剤 (Benzyl-α-GalNAc) の作用により糖鎖を改変したMMP-9とSSL5の相互作用を調べた結果、両者の結合にはシアル酸を含むO結合型糖鎖が重要であることが判明しました。

 次いで、MMP-9との相互作用に重要なSSL5分子のアミノ酸残基についても検討を加えました。SSL5と他分子との相互作用への関与が示唆されている205残基目のトレオニン (Thr-205) をアラニンまたはプロリン残基に置換した変異体 (T205A、T205P) を作製し、MMP-9との結合性を評価したところ、これら変異体ではMMP-9との結合が顕著に弱まることが分かりました。この結果より、SSL5のThr-205はMMP-9への結合に関しても重要なアミノ酸残基であることが明らかになりました。

 今後、SSL5とMMP-9の相互作用をさらに解析していくとともに、新たなSSL5結合タンパク質を探索し、SSL5による黄色ブドウ球菌の宿主免疫からの回避機構を解明していきたいと考えております。最後に、本研究の遂行にあたり多大なるご指導・ご鞭撻を賜りました微生物学研究室の辻勉教授、奥輝明講師に深く感謝いたします。また、ご協力くださいました築地信准教授をはじめとする微生物学研究室の皆様に心より御礼申し上げます。

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