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受賞情報

酒井 寛泰 講師(薬剤師職能開発研究部門)が第57回日本平滑筋学会総会にて優秀論文賞を受賞しました。

2015/10/02

薬剤師職能開発研究部門/疾患病態解析学 講師 酒井寛泰

 第57回日本平滑筋学会総会(2015年8月25-27日:山口)にて、優秀論文賞を受賞いたしました。受賞論文題名は「Augmented bronchial smooth muscle contractility induced by aqueous cigarette smoke extract in rats. J Smooth Muscle Res. 2014;50:39-47.」です。

 慢性閉塞性肺疾患 (Chronic Obstructive Pulmonary Disease) とは、慢性気管支炎や肺気腫などにより慢性的に気道が閉塞し肺への空気の流れが悪くなる疾患の総称です。日本人の40歳以上のCOPD有病率は約 9% で、患者数は530万人以上と推定されています。COPD の危険因子は、外因性危険因子と患者側の内因性危険因子に分けられます。外因性危険因子には、喫煙、大気汚染、職業上で吸入する粉塵、化学物質、受動喫煙、感染症などがあります。また、内因性危険因子には、加齢や遺伝性疾患であるα₁-アンチトリプシン欠損症が考えられていますが、日本人には非常に少ないことが知られています。主な症状は慢性の咳(せき)、痰と労作性の息切れであり、COPD はゆっくりと進行し、前述のように典型的な身体所見も重症になって初めて現れることが多いため、早期に気づきにくいことが大きな問題です。

 この COPD 患者では気管支喘息患者と同様に気道が過敏になっているということが知られています。これを気道過敏性と言いますが、COPD における気道過敏性を誘発する因子の詳細は明らかになっていません。我々は以前に動物(ラット)にタバコの主流煙を吸入させることによって、肺の炎症が惹起されることを報告しており、そのタバコ主流煙を暴露された動物の気管支平滑筋が気道過敏性を示していることも明らかにしました。また、収縮関連タンパク質である RhoA の発現上昇を伴った気管支平滑筋収縮反応の増強が引き起こされていることも突き止めています (Chiba et al., Am J Respir Cell Mol Biol. 2005;33:574-81)。そこで、本論文の研究では、タバコ主流煙から水溶性物質を抽出し、気管支平滑筋と器官培養し、収縮反応を測定したところ、明らかな気管支平滑筋の収縮反応の増強が引き起こされていました。また、その状況下の気管支組織では、RhoA や myosin light chain kinase といった収縮反応に重要なタンパク質の発現が上昇していること明らかにしました。今後、この方法を用いて、気道過敏性を惹起するタバコ主流煙含有物質が同定できれば、新たな COPD の治療薬の開発が可能となり得ることが期待されます。

 最後に、本研究を遂行するにあたり、御協力頂きました総合基礎薬学教育研究部門/生理分子科学 千葉義彦准教授および薬剤師職能開発研究部門の皆様に深く御礼を申し上げます。

sakai

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