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受賞情報

今理紗子さん(薬動学教室博士4年)が第32回和漢医薬学会学術大会にて優秀発表賞を受賞しました

2015/10/02

 第32回和漢医薬学会学術大会 優秀発表賞を受賞して

薬動学教室 博士4年 今理紗子

 

 この度、第32回和漢医薬学会学術大会(2015年8月22、23日)にて、優秀発表賞を受賞いたしました。このような栄誉ある賞を、薬箱発症の地で知られる薬都;富山で受賞することができ、大変嬉しく思います。受賞演題名は『大黄甘草湯の瀉下作用における甘草の配合理由の解析』です。

 漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて作られているため、有効成分単一の西洋薬とは異なり、様々な作用を併せ持ちます。大黄甘草湯は、大黄と甘草の二つの生薬から構成される漢方薬であり、便秘や便秘に伴う諸症状の緩和に用いられます。大黄甘草湯の効果は大黄に含まれるセンノシドAに由来するものと考えられており、当教室ではこれまで、センノシドAが大腸の炎症反応を伴って瀉下作用を発揮することを明らかにしてきました。一方、甘草については、有効成分のひとつであるグリチルリチンが抗炎症作用を有するため、便秘に伴う排便痛や腹痛の緩和を期待して配合されていると考えられてきました。しかし最近、甘草に含まれるリクイリチンが大黄の瀉下作用を増強させることも報告され、甘草の配合理由については一定の見解が得られていません。そこで本研究では、大黄甘草湯における甘草の配合理由を明らかにする目的で、センノシドAとグリチルリチンを用いて検討を行いました。その結果、センノシドAとグリチルリチンを併用すると、センノシドの瀉下作用が減弱することが明らかとなり、この作用はグリチルリチンの抗炎症作用に起因していることがわかりました。

 これまで、大黄が瀉下作用を示すときには、大腸において炎症が生じることにより排便痛や腹痛などの副作用を引き起こすことが問題となっていました。そのため、グリチルリチンを配合することは、その抗炎症作用によって大黄の副作用の減弱につながります。一方で、グリチルリチンはセンノシドAの瀉下作用も減弱させるため、単にセンノシドAとグリチルリチンを併用するだけでは、十分な瀉下効果を得ることができません。そこでグリチルリチンだけではなく、大黄の瀉下作用を増強させるリクイリチンも含まれている甘草を配合することにより、センノシドAの瀉下効果を維持しながら、副作用を減弱させることが可能となり、大黄甘草湯という極めて合理的な処方がなされたものと考えられます。

 今後は、大黄甘草湯の長期連用時における効果や安全性を解析し、大黄甘草湯の適正使用および漢方薬の用途拡大について言及していきたいと考えております。

 最後に、本研究を遂行するにあたり、多大なるご指導、ご鞭撻を賜りました薬動学教室の杉山 清教授、五十嵐信智助教に心より御礼申し上げます。また、ご協力下さいました落合 和准教授をはじめとする薬動学教室の教室員の皆様に深謝いたします。

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