「薬」と「人」と「病気」の3つをつなげる星薬の学びで、化学への好奇心は、最適なケアへの追究心に。

大学で、“薬の不思議”を化学で追究したい!
将来は、多くの人と接し、患者さんを支える薬剤師になりたい!

化学に興味があったことから、大学受験では理学部化学科と薬学部を志望しました。薬は同じような形をした白い錠剤なのに、効果が変わったり、効く場所が変わったりすることを不思議に思い、いわゆる“薬物動態”的なことを大学で勉強したいと思ったのです。
最終的には、家族が薬剤師であったこともあり、働く姿が想像できたこと、大学で好きな化学の実験に思いっきり取り組みながら、将来は多くの人と接し、患者さんを支えることのできる薬剤師になりたいと考えたことから、薬学部に進学しました。

研究と臨床、それぞれの第一線で活躍する先生方に、
患者さんを救う「薬」と「薬剤師」の役割を学ぶ。

星薬は、薬学科といえども実習や研究に重点が置かれたカリキュラム。そういった部分で、私のイメージとかなり合致していました。実際に1年次の実習から白衣を着て、高度な科学実験ができました。特に薬学部ならではの薬理系の実習に強い興味を持ちました。
薬理実習での実験は、薬が疾病に効くメカニズムを実験で再現するものです。しかし、理論上導き出せる結果と、実際に実験で起きる事象とでは差が生まれます。その差の原因を考察し、答えを導き出し、先生の考えと突き合わせていく・・・・・・この過程が、私の知的好奇心をくすぐるものでした。さらに2年次の薬理学の講義では、病院の麻酔科医や、現役で働く薬剤師からリアルな臨床のお話を伺う機会がありました。このように、「薬」と「人」と「病気」という3つをつなげて考えられる学びの中で、病院薬剤師になろうという決意を固めました。
卒業研究では、薬物治療学研究室に所属し、糖尿病についての研究に取り組みました。薬物治療学研究室は、その名の通り、咳や痛みなど病気の治療に直接関わる薬理領域をテーマとしている研究室で、病院薬剤師を目指す私にとって最適な場所でした。
研究室では、第一線の薬学研究者である教授から直接指導をしていただきました。病院薬剤師として働く中で、星薬の先生方の研究が、臨床現場で使われている医薬品につながっていることに気づくことも少なくありません。こうした先生方との距離が近く、丁寧にご指導いただけた環境が、私が学生時に実感していた“星薬の一番”の魅力です。
(写真は6年生当時のもの)

星薬で育んだ“問題解決能力”と“コミュニケーション力”で、
患者さんにとって最適なケアを提供する。

私は今、「病棟業務」と「チーム医療業務」を兼任しています。そして星薬で学んだことが、両業務につながっていると感じています。
「病棟業務」では、救命救急センターを担当しています。救急で入ってきた患者さんの状態や常用薬などを確認し、どのように薬を投与していくかを迅速に評価し、医師と情報共有をしていきます。対処を考える時間が長ければ長い程、患者さんの容態が悪化する可能性があるので、短時間で薬剤師として最適なアプローチを選択しなくてはいけません。そうしたときに、実習や研究室で養った、目の前のことに関して独力で答えを出す“問題解決能力”は、大きな武器となっています。
一方で、私は「緩和ケアチーム」の担当薬剤師となっています。こちらは、がん患者さんとじっくりお話し、診療データを解析して、最適な投薬プランを考えていきます。がん患者さんの苦痛をとる緩和医療では、鎮痛薬を扱う薬剤師の重要度はより高いものになり、チームの医師・看護師・理学療法士の要望に適切に応えることが、患者さんにとって最適なケアにつながります。人と人の関係が近い星薬では、授業や研究、さらには国家試験対策など多くの面で、みんなで協力して1つのことをやり遂げる経験をしました。チーム医療の目的は多職種が各職種の専門性を活かし、協力することで患者さんの病状を改善することを念頭に置いています。その目標に向かって、多職種でしっかり話を詰め、方向性を決めていくために欠かせないコミュニケーション力も大学で手に入れた大切な力と言えます。
薬学部=国家試験予備校というようなイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。しかし、これまでご紹介してきた通り、星薬科大学では薬学についての1つの知識が、人と病気、医療についての多くのことにつながっていきます。そのつながりこそが、臨床の現場でも、患者さんに最適なケアを届けるために欠かせない医療人としてのスキルアップの基礎となるのです。そうした気付きを社会に出る前に大学で得られたことが、今、病院薬剤師としての成長につながっていると感じています。