必要とする患者さんに新薬を届ける“言葉”の力を育んだ、星薬での6年間。

「身体の仕組み」や「脳」について、専門的に学びたい!
将来は、幅広い選択肢から自分にあった就職先を見つけたい!

私が薬学部を選択した理由は、医療系大学で、幼い頃から強い興味を抱いていた「身体の仕組み」、特に「脳」について学びたいと考えたからです。自宅から通える好立地の医療系大学が、星薬科大学でした。
また、“星薬=将来の選択肢が多い”というのが、星薬への進学を選んだ決め手の1つです。
私は、薬学科に進学しましたが、薬剤師という仕事に対するこだわりはありませんでした。卒業生の進路を確認していただくと分かるのですが、星薬科大学の卒業生は、薬剤師以外にも多種多彩な職種・分野で活躍しています。大学で色々な経験をしながら、自分にあった職種で、人のためになる仕事を探したいと考えていました。

学生一人ひとりの質問に、丁寧に答えてくれる先生方のサポートで、
膨大な専門知識を、ひとつひとつ着実に自分の力に。

薬学部の勉強は難しいとよく言われます。それは、高校の授業よりも格段に高度な「生物」、「化学」、「物理」や、さらには薬学部ならではの「薬理学」など、多岐にわたる分野の膨大な専門知識を実践レベルまで習得しなければいけないからです。だからこそ、日々の講義の内容を、着実に自分のモノにする習慣がとても大切です。
そうした時に心強かったのが、学生の質問に丁寧に答えてくださる先生方の存在です。私は、授業で気になることがあったら、解決するまで先生に質問を繰り返し、分からない点をクリアにし、次の学びに進みました。授業後は多くの学生が質問に行くので、休み時間内で間に合わない時は放課後に研究室などにお伺いすれば丁寧に対応してくれました。そうした学びを6年間繰り返したことが、難関である薬剤師国家試験の合格の下地になったと感じています。大学では、先生と学生の接点が少ないというイメージがありますが、星薬ではどの講義の先生でも、学生一人ひとりに丁寧に向き合ってくれます。
また、「脳」への興味は、大学での学びの中で「機能形態学」への興味に進化しました。機能形態学研究室では、糖尿病患者さんにみられる血管内の障害という専門領域を深く研究することができ、学会で発表する経験もできました。
ある意味“狭い”領域について研究をすることは、普通は知ることができない“自分だけの専門知識”を持つということにつながります。それは、人生の中でも大きな武器になります。
実際に、MRとして働く中で糖尿病に関する製品を扱うことがありました。その時、訪問先のドクターが過去に書かれた論文を調べると、私が大学の研究室で調べていた物質と似たものがあり、糖尿病について、自社の薬剤について、深い意見交換ができました。たとえ研究者にならなくても、医療分野に関わる仕事の至るところで、研究室での学びが生きてきます。

難解な薬の専門知識を、自分の言葉として、星薬の先生方にぶつけた経験が、
新薬の普及を後押しする“コミュニケーション力”に。

私の仕事は、医薬品メーカーのMR職として、お客様である医療機関を訪問し、必要とされる医薬品の情報提供をすることです。さらに、その医薬品を実際に使われた患者さんのフォローを通して、自社の医薬品が適正に使われるように活動しています。そうした業務の中で、星薬での経験が大きな力となっています。
就職後3年が経つのですが、その期間はまさにコロナ禍の時期。コロナ禍では医療機関の外部との接点が制限されたことから、本当に必要な情報を提供できるMRでないと受け入れていただけないということもあり、高い“コミュニケーション力”が一層必要な仕事となっています。
さらに、ドクターも勤務でお忙しいので訪問時には自分の伝えたい要点を、“簡潔”かつ“分かりやすく”まとめておかなければいけません。その準備は、大学時代に講義や研究での疑問点を、先生方にお伺いする時とまさに同じ。質問をするために教授室のトビラをノックした際のドキドキする感覚は、初めてのドクターに会いに行く感覚と似ています。そのドキドキとは、大学時代も、今も、自分の伝えたいことが相手に理解してもらえるだけの準備ができているかという自問自答にあるのです。
新しい医薬品をドクターに処方してもらうことは、簡単ではありません。時には、弱気になることもありますが、大学時代に先生方へ高度な薬学の質問をぶつけた経験が「大丈夫!」と背中を押し、一歩踏み出す勇気になっています。その一歩が切っ掛けとなり、新薬を処方していただいた結果、「患者さんの容態が改善した」とドクターからご報告をいただいたときは、MRとして一番の喜びを感じる瞬間です。
薬学部は“勉強だけの大学生活になる”とよく耳にしますが、都心にキャンパスがある星薬では、“立地の制約”が少ないため、大学生ならではの経験が十分にできるはずです。私にとって、大学の勉強はしっかりとしながら、趣味やアルバイトなどを通じて大学外でも多くの人やモノとの出会いを体験できる環境でした。
そうした環境だからこそ、薬剤師としてだけでなく、医薬品メーカーや公務員、さらには広告代理店や新聞記者といった多種多彩な職種・分野で活躍する卒業生が輩出されているのだと思います。後輩になる皆さんにも、星薬でのキャンパスライフをエンジョイしながら、理想の未来を描いて欲しいです。