高校生の時、ホームルームの時間に医療ニュースを調べて発表するという活動を行っていました。その時に、「病気を治すためには“薬の力”がとても重要!大変な手術が必要な病も投薬で治療できたら一番いいのでは」と考え、薬学に興味を持ちました。さらに、薬の力で多くの人を助けるためには、研究者になることが近道になるのではないかという思いから創薬科学科に進学しました。
実際に大学で薬学を学びはじめると、想像以上の世界が広がっていました。薬学部の授業でも、プログラミングや経済学、経営学の授業があります(※)。先生方が生命科学と結びつけながら講義をしてくださるので、薬を創るだけなく、薬の安全性を守る仕事やビジネスとして優れた医療やヘルスケアが行き渡る範囲を拡げる仕事があることを知りました。「レギュラトリーサイエンス」の授業では厚生労働省で働く卒業生の方が講師として、現場でのリアルなお話をしていただきました。
そうして得たイメージから自分の将来を導きだすために、とても良い機会となっているのが「キャリアプランゼミ」の授業です。授業などで学んだことを糧に自分の将来を考え、同級生に発表します。プレゼンテーションという形で自分の未来を「言語化」すると、本当にいろいろな将来像が具体化してくるのです。最初は、漠然と薬を創る研究者を目指そうと思っていました。しかし、「新薬の種を発見する基礎研究のようなゼロからイチを生み出す仕事もいいけれど、その種を薬として市場に出すために剤形などを突き詰める製薬企業の開発職の方が患者さんと近い距離での仕事ができそう」また、「それなら、製薬会社のMRとして優れた新薬を広める仕事もいいかも」といった形に思考が広がっていきました。
同級生のプレゼンテーションを聞くことでも、それぞれが異なる未来を描いていて、大きな刺激とモチベーションをもらう機会になりました。
(※2023年度時点のカリキュラムです。)
今、ちょうど3年生から所属する研究室を選ぶ期間です。先ほど未来のイメージとしてあげた剤形を研究する研究室だったり、自然界には存在しない薬の種を有機化学で創造する研究だったりと興味をひくテーマがたくさんあります。
卒業まで2年、大学院に進学すれば4年以上も在籍する場所になるので、自分にとって興味深い研究室を選べればと考えています。
創薬科学科が少人数制なので特にそうなのかもしれませんが、星薬科大学では、先生が一人ひとりの学生と会話をする場面がとても多いのです。今でも、授業などで分からないことがあれば、授業の前後や先生の研究室にお伺いして、疑問点を教えていただくことができます。どの研究室に入っても、そうした星薬らしい「先生と学生の近さ」は変わらないと思うので、来年からどんな分野を深められるか楽しみです。
まずは2年間、星薬科大学でしか得られない研究の時間を思う存分に経験し、将来像をもっともっと明確にしていきたいと考えています。