星薬科大学は、1911年の創学以来110年を超える伝統を誇ります。「世界に奉仕する人材育成の揺藍である」を建学の精神とし、高い志とグローバルな視点を持つ人材を輩出してきました。「素敵だね」と言われる各地の病院や薬局の薬剤師はもとより、大学・研究所で働く教員や研究者、製薬会社で活躍する研究者や医薬情報担当者、政策を作る官僚、さらには起業家など、多様な活躍をする人材が「星薬科大学」をキーワードに繋がる、これが本学の伝統です。
星薬科大学には、このような輝く人材が次々と生まれる仕組みがあります。教員は、薬学にとどまらず生命医科学という広い分野で世界に響く研究を目指しています。学生はその研究に参加して、必要とされる論理的思考力、語学を含めた表現力、人とつながる人間力を学びます。星薬科大学の創始者である星一先生の不屈のチャレンジ精神も受け継がれています。その結果、「自ら課題を発見し、正解のない問いに答える力」を備えた人材が次々と生まれ、これからも生まれる筈です。
一方で、薬剤師の役割、医科学の役割、世界における日本の立場、全てが変わってきています。本学の教育と研究も時代と学問の変化に合わせて進化する必要があります。情報機器を使いこなすことで患者さんとのコミュニケーションの時間が増えるはずです。ゲノム医学が全盛だからこそ、今、その次の課題である「環境」が健康や疾患に影響する仕組みに取り組むことが重要です。
それぞれの立場で一流を目指し、一流であることで「親切第一」が実現できます。高い志をもち、意欲溢れる学生諸君に集まってほしいと思います。
最後に、星薬科大学を支えてくださっている、病院・薬局の先生方、他学・研究所の先生方、薬学教育関係者、省庁や研究費配分機関の方、製薬・食品を始めとする企業の方々、近隣・社会の皆様、そして卒業生に深くお礼申し上げます。引き続きのご支援をどうかよろしくお願いいたします。
1986年3月 | 東京大学医学部医学科卒業 |
1987年6月 | 東芝林間病院医師 |
1988年6月 | 関東逓信病院血液内科専修医 |
1989年6月 | がん研究振興財団リサーチレジデント(国立がんセンター研究所) |
1991年2月 | 国立がんセンター発がん研究部研究員 |
1994年4月 | 同室長 |
1999年8月 | 同部長 |
2010年11月 | 国立がん研究センターエピゲノム解析分野分野長 |
1994-95年 | 米国Massachusetts Institute of Technology留学 |
2011-14年 | 国立がん研究センター研究所上席副所長 |
2020-22年 | 国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部副本部長 |
2022年6月 | 星薬科大学学長 |
1997年 | 日本癌学会奨励賞 |
2009年 | 日本癌学会JCA-Mauvernay賞 |
2012年 | 日本消化器癌発生学会田原榮一賞 |
がん研究センター医学会総長賞 | |
2013年 | 日本ヘリコバクター学会上原ヘリコバクター賞 |
2018年 | ベルツ賞(一等賞) |
高松宮妃癌研究基金学術賞 |
世界で最も早い時期にゲノム網羅的なDNAメチル化解析法を開発、正常に見える組織にも既に多くのDNAメチル化異常が蓄積していることを解明、その定量が発がんリスク診断に使えることを証明した。ピロリ菌による胃発がんにはDNAメチル化異常誘発が特に重要であること、また、慢性炎症によるDNAメチル化異常誘発の分子機構も解明した。神経芽腫ではDNAメチル化異常が強力な予後予測力をもち、治療標的であることも示した。DNA脱メチル化剤の開発、DNAメチル化合成致死創薬も進めている。
2007-08年 | NEDO「エピジェネティクスの産業応用に関する調査」委員長 |
2009年 | 経済産業省「創薬・診断調査委員会」委員 |
2009-17年 | 文科省ライフサイエンス委員会幹細胞・再生医学戦略作業部会員 |
2009-15年 | 科学技術振興機構さきがけ「エピジェネティクスの制御と生命機能」アドバイザー |
2010-11年 | 科学技術振興機構研究開発戦略センター特任フェロー |
2011-18年 | 科学技術振興機構「エピゲノム研究に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」研究開発副総括 |
2020年- | AMED戦略的国際共同プログラムSICORPプログラムオフィサー |
2021年- | 科学技術振興機構ムーンショット「疾患の超早期予測・予防」アドバイザー |
2001年- | 日本癌学会評議員 |
2018年- | 同理事 |
2006年- | 日本エピジェネティクス研究会幹事 |
2013-16年 | 同代表幹事 |
2022年- | 胃癌学会代議員 |
2005-09年 | 米国癌学会ヒトエピゲノムタスクフォース委員 |
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2009年- | Singapore Gastric Cancer Consortium科学アドバイザー |
2010-11年 | 米国癌学会Clowes-Memorial Lecture選考委員 |
2011-13年 | 米国癌学会がんエピゲノムタスクフォース委員 |
2011年- | 国際ヒトエピゲノムコンソーシアム国際科学委員 |
2013-14年 | 米国癌学会Landon prize選考委員 |
2014-15年 | 米国癌学会Debbie’s Dream Foundation Gastric Cancer Grant選考委員 |
2016-19年 | 米国癌学会Publication Committee委員 |
2010-17年 | Cancer Res, Senior Editor |
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2013年- | Cancer Letters, Associate Editor |
2003年- | Cancer Sci, Associate Editor |
2010年- | Gastric Cancer, Associate Editor |
2013年 | 牛島俊和、眞貝洋一編、エピジェネティクスキーワード事典、羊土社 |
2015年 | 牛島俊和編、クリニカルエピゲノミクス、医学のあゆみ |
2017年 | 牛島俊和、眞貝洋一、塩見春彦編、エピジェネティクス実験スタンダード、羊土社 |
2022年 | 牛島俊和、中山敬一編、論文図表を読む作法 Figure事典、羊土社 |
※牛島学長の研究業績は【こちら】をご覧ください。