EDUCATION

実務実習事前学習

1. 概要

薬学部の6年制教育では、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に基づき、より質の高い薬剤師を養成するため、5年次に薬局と病院で各11週間ずつ薬学実務実習を行います。また、本学では、「薬局実務実習・病院実務実習」への橋渡し教育として、4年次の前・後期に「実務実習事前学習Ⅰ,Ⅱ」を行い、薬学実務実習に必要とされる知識・技能・態度を学びます。

実務実習事前学習では、「チーム医療や地域医療において、薬の専門家として活躍するために必要な臨床現場での実践的な技能とコミュニケーション能力を有する」薬剤師となるために、臨床現場で不可欠な問題解決能力を養います。具体的には、まず、薬学の専門知識が医療現場でどのように活用されているのかを理解できるように、必要な知識や技術を習得する講義・演習を行っています。また、専門の外部講師を招き、学生としてのプロフェッショナリズム(身だしなみ、学習姿勢、タイムマネジメント、コンプライアンス遵守など)を学ぶ態度教育も行っています。

薬学実務実習の実施に向けて、より臨床現場に近い環境とするため、全ての実習に臨床現場で活躍されている薬剤師の先生方を非常勤講師として招いています。そして、経験を基に臨床現場の課題をフィードバックしていただくとともに、患者対応のための技術を教授していただいております。また、本学が運営しているSP(模擬患者)会の市民の皆様にもボランティアとして実務実習事前学習に参加していただいています。医療面接などのコミュニケーションの実習において、臨場感あふれる患者対応が学べます。

これらの実務実習事前学習の内容は、臨床現場の薬剤師の先生方の助言などを基に毎年ブラッシュアップしています。また、6年制薬剤師教育に見合った高度かつ実践的な教育を展開するため、教員が一丸となって学生指導に取り組んでいます。

■ 対象学生: 4年次 

単位数  : 前期:0.5単位、 後期:7.5単位 (計8単位)

■ 時期    : 事前学習Ⅰ:4年前期(6月)、事前学習Ⅱ:後期(9月~11月)

2.学習内容

  • 実務実習事前学習Ⅰ:スモールグループディスカッション(SGD)形式で演習を行い、3年次までに履修した「薬物治療学」で学んだ疾患や治療薬の標準的な知識を、臨床現場で活かすために必要な能力に統合することを目的とする。医療チームの一員として薬物治療に参画できるようになるために、疾病に伴う症状などの患者情報を解析し、最適な治療を実施するための薬理、病態・薬物治療に関する基本的事項を習得する。
  • 実務実習事前学習Ⅱ:調剤の基本手技の習得と臨床現場に沿った講義、演習(SGD形式)により病院実務実習・薬局実務実習に先立って、調剤手技、服薬指導などの基本的なスキルとともに、薬学の専門知識、態度を習得する。

薬学共用試験(OSCE)における評価項目である計数・計量調剤、無菌製剤調剤、患者応対、薬剤情報提供などについては実務家教員に加え非常勤講師による指導により、きめ細かい指導の実践により基本的なスキルを習得する。

幅広いフィールドで活躍できる薬剤師としてのスキルを視野に入れた講義・演習とし臨床現場に直結した教育を展開している。

【主な講義】

・社会人・医療人としての態度・マナー 

・弁護士による医療安全に関する法的知識

・医薬品情報(情報検索・臨床論文の読み方)

・医薬品情報(安全性情報)、治験・臨床試験 

・感染管理、TDM(薬物血中濃度モニタリング)

・注射薬と配合変化

・後発医薬品の流通・選択 

・在宅医療の現状

【主な演習】

・フィジカルアセスメント(血圧測定、心音・呼吸音の聴取など)

・臨床栄養(輸液の設定・脱水、栄養管理)

・薬剤師トリアージ・OTC販売の実践

・院内教室(患者向け資料の作成:糖尿病、呼吸器疾患など)

・情報提供・情報収集

処方箋の疑義照会に対する医師への問合せ、モデル病室を利用し、模擬入院患者からの初回インタビュー、患者へのお薬の飲み方などの説明・指導を行い、臨床現場に近い環境で薬剤師の業務の実践

・臨床現場における処方箋をもとに「処方解析」・「処方提案」の実践

毎年、処方例をブラッシュアップし、最先端の情報を盛り込んでいる。

3.評価

 ■ 講 義 : 客観的試験(筆記試験)を行う。

 ■ 演 習 : ロールプレイおよびレポートにより形成的評価を行う。

 ■ 実習(技能): チェック表を作成し形成的評価を行う。

実習風景

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