EDUCATION

星薬生の留学体験レポート パシフィック大学

星薬科大学 2024年度留学生 H.K.さん

はじめに(参加動機や目的など)

私は、薬学生として大きく成長したいと思い、海外実習への参加を決めました。高校時代、ニュージーランドでの短期留学を経験した際、母国語が通じない環境での生活や学校での困難を乗り越える中で、自分の可能性を広げるきっかけを得ました。その経験が自分のこれまでの人生でのターニングポイントとなったため、今回の実習も新たな転機になると感じました。
今回の実習では、薬学生としての目的を持って学びに行くという点が、過去の語学留学と大きく異なります。私は、アメリカの医療の現状を知ること、薬剤師の役割を深く学ぶこと、そして学生との交流を通じて視野を広げることを目標に掲げました。このプログラムはそれを実現するのに最適で、得られた経験は私の期待を大きく超えるものでした。新しい環境で学ぶことで得られる刺激や成長を、後輩の皆さんにも感じてほしいと心から思います。

授業内容

現地の先生方に組んでいただいたスケジュールに沿って、薬学部1・2年生の講義を受けました。授業内容は、薬学の基礎から応用まで幅広く、特に面白かったのは法律の授業です。この授業では、薬剤師免許の取得方法や薬学生のカリキュラム、薬剤師の仕事内容、アメリカのヘルスケアシステについて基本的な知識を学ぶことができました。
初めは英語を聞き取るのに苦労しましたが、徐々に慣れて、一度学習した内容の授業については理解できるようになりました。また、現地の学生たちはとても親切で、理解できなかったところをわかりやすく言い換えて説明してくれたり、日本語に翻訳した授業資料を準備してくれたりと、常に私たち留学生を気にかけてくれ、とても助かりました。
また、薬局や病院、ドラッグストア、政府機関などの施設の訪問もさせていただきました。日本とは異なる薬剤師の役割やヘルスケアシステムを実際に見学できたことは、非常に貴重な経験となり、勉強になりました。

 

現地生活・オフの過ごし方

食生活

食事は基本的に自炊をしていました。日本食が恋しくなると思い、ごはんのパックやお味噌汁のもと、そば、うどんなどを持参しました。特にお味噌汁は大活躍し、持って行って良かったと思います。飲料水は、ブリタの浄水器を持参したおかげで購入する必要がなく、学校のウォーターサーバーも利用できたため便利でした。物価が高いことから、現地での食料調達は最低限に抑え、野菜やフルーツだけは意識的に購入して健康に気を付けました。昼食はサンドイッチや夕飯の残りを持参して節約しつつ、たまにクラスメイトと外食も楽しみました。後半になると現地の友達と仲良くなり、外食の機会が増加。せっかくの経験なのでアメリカンフードを積極的に楽しみ、大きなサイズの料理に驚きながらも満喫しました。

滞在先

私は、本学の学生と一緒にAirbnbで一軒家を借りました。リビング、キッチン、バスルーム、2つのベッドルームがあり、プライベート空間も確保できたため、快適に過ごせました。特に、洗濯機が備わっていたことで洗濯代を節約できたので良かったです。また、調味料や生活用品などのアメニティも充実しており便利でした。
立地も良く、キャンパスから徒歩20分ほどの距離にあり、スーパーやコンビニも徒歩圏内で非常に生活しやすい環境でした。

気候

滞在初期の2週間は暖かい日が多く、過ごしやすい気候でしたが、後半は雨の日が増えました。また、日中と朝晩の寒暖差が激しかったため、脱ぎ着しやすい服装が役立ちました。特にヒートテックや防水のウィンドブレーカーが便利でした。半袖からニットまで幅広く持っていくのがおすすめです。

治安

オレゴン州は全体的に治安が良く、危険な目に遭うことはありませんでした。徒歩圏内で生活が完結したこともあり、交通機関を利用する機会が少なかったのが影響しているかもしれません。ホームレスの方も少なく、比較的安全な印象です。ただ、ポートランド周辺ではホームレスの方や特定のエリアのにおいが気になる場所もあったため、注意が必要だと感じました。

休日の過ごし方

休日は、ポートランドに出かけて観光やスポーツ観戦を楽しんだり、クラスメイトにおすすめスポットやレストランに連れて行ってもらったり、ドライブをしたり、家や寮にお邪魔させてもらったりと毎週楽しく過ごしていました。
特に、ハロウィンシーズンだったので、ホームパーティやかぼちゃペイント、かぼちゃ畑の散策など、アメリカならではのイベントを満喫しました。ハロウィン当日は、滞在先で日本のお菓子を子供たちに配り、現地の文化に触れて楽しみました。
クラスメイトと一緒に過ごす時間はとても楽しく、素敵な思い出を沢山作ることができました。

その他

薬学部とは別のキャンパスを訪れる機会をいただき、日本語を勉強している学生たちと交流することができました。この出会いは私にとって大変貴重な経験となり、お互いに言語を教え合いながら学び合う中で、自然と会話が弾み、自分の会話力も向上したと感じました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと・成長したと思うこと

今回のプログラムを通じて最も良かったと感じたのは、素晴らしい友達との出会いです。パシフィック大学の薬学部には、さまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まっていました。同世代の学生だけでなく、社会人経験を経て再び学び直している方や子育てをしながら勉強する方も多く、「何かを始めるのに遅すぎることはない」ということを強く感じました。また、彼らがそれぞれ明確な夢や目標を持ち、未来に向かって日々努力する姿に大きな刺激を受けました。
薬学部以外の学生とも交流する中で、将来に希望を抱きながら学び続ける彼らの姿に触れ、私も自分の将来像をより具体的に考えるきっかけを得ました。「どんな薬剤師になりたいのか」を明確に思い描くことができたのは、彼らとの出会いがあったからこそです。この出会いは、私にとって何にも代えがたい宝物となりました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

今回の経験を通じて、日本とアメリカの医療システム、薬学教育、薬剤師の役割の違いについて深く学ぶことができました。また同時に、両国が抱える課題や共通点も知ることができ、それぞれの良い点を取り入れることで、医療や社会をより良いものにできると感じました。
特に印象的だったのは、学生たちの学びに対する積極的な姿勢と、大学の教育体制の違いです。この経験を通じて、自分の中で「理想の薬剤師像」がより具体的になったので、今後はその理想に近づくため、学び続ける姿勢を大切にし、常に新しい知識やスキルの習得に挑戦していきたいです。今回得た視野の広がりと成長を基盤に、将来の医療に貢献していきたいと思います。

最後に

今、このプログラムへの参加を考えている皆さんは、勉強面や就職活動、英語力、現地での生活に不安を抱いているかもしれません。私も同じような気持ちでした。しかし、アメリカでの生活は毎日が本当に楽しく充実していて、一度もホームシックになることはなく、「ずっとこのまま住み続けたい」と思うほどでした!クラスメイトや教授、先生方がとても親切でサポートしてくださるので、心配する必要はありません。英語力に自信がなくても、チャレンジする気持ちや積極性、フレンドリーな姿勢があれば、間違いなく充実した最高の1か月になると思います。
少しでも留学に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。不安なことがあれば、何でも相談に乗りますので気軽に聞いてください!
最後に、この海外研修プログラムにおいてご協力いただいた星薬科大学の先生方、Pacific Universityの先生方をはじめ、関わってくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

星薬科大学 2024年度留学生 N.S.さん

はじめに(参加動機や目的など)

以前から海外の医療制度に興味があり、受験大学を選択する際から海外研修に参加することを目標にしていたためプログラムに参加しました。サプリメント大国であるアメリカでのサプリメントや健康食品の立ち位置と扱い方、法律の違い、医療制度の違いを学ぶことを目的としていました。また、英語を使う環境を自分から作ることを意識していました。

授業内容

日本と同じような生物動態、クリアランス、州法、臨床計算や文献や論文の調べ方、また特徴的な学習には肥満への治療方法、ワクチンやサプリメントの成分について多く学ぶ場面がありました。
授業内でのグループワーク、ディスカッションが多く、また医師から電話で処方を受け取る練習や患者対応の練習など実践的な授業が多くありました。週に1〜2回薬局や病院見学をさせていただき実際に働かれている薬剤師やテクニシャンの方に仕事内容や特徴、問題となっていることなどを教えていただきました。

現地生活・オフの過ごし方

食生活

基本毎食自炊をし、昼食も学校に持参していました。ステイ先の近くに食料品店がなかったため初日に連れて行ってもらった際に買った食料と、1度ホストに車で連れて行ってもらったり学校の帰りに少し買ったりしていました。

滞在先

英語を使う環境で過ごしたくAirbnbでホストと一緒に住めるところを探しました。通学はバスと電車を乗りついで1時間弱かかったため朝は早かったですが、クラスメートと同じ電車だったたり、授業前に十分にクラスメートや教授と話す時間があったりしたのでよかったです。宿泊先の近所の方との交流もあり、ワイン会や、犬の散歩、ハロウィンパーティー、誕生日会にも招待していただきとても良い時間を過ごしました。

気候

10月上旬までは過ごしやすかったですが、中旬からは例年より寒くなるのが早かったらしく、朝は1℃の日もありました。日差しが強く、晴れていると昼頃には暖かくなりますが雨や風が強いと寒いのでヒートテックや防寒具を重宝しました。雨が多いと聞いていましたが、前半は晴れている日が多かったです。

治安

基本的には良かったです。ポートランドダウンタウンは大麻のドラッグの匂いや、叫んでいる人がいて、車に貴重品を置いておくのが危ないなど少し危険だと現地の方が言っていました。普段は治安がいい場所でも21時をすぎて電車を待っていると危険な雰囲気でした。

休日の過ごし方

クラスメートとビーチや動物園、パンプキンパッチ、日本の教会など毎週現地の方とどこかに行っていました。とても充実していました。

その他

放課後は、パンプキンパッチや教授の家に招待していただきハロウィンを楽しんだり、クラスメートの家でスパムむすびを作ったり、薬学部主催のカラオケ大会に参加したりしました。時間のある時は、外に出て近所の方と話したり犬と遊んだり散歩したりしていました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと・成長したと思うこと

日本とアメリカの医療制度の違いについて深く学ぶことができました。違いを知ることで日本の医療制度への関心も高まりました。
また、積極性を身につけることができたと感じていています。わからないことは質問し、ただ聞くだけでなく発言してコミュニケーションが一方通行にならないように心がけていました。積極性を大切にしたことで薬剤師の方も詳しく説明してくれたりクラスメートと仲良くなりあそびに出かけたりすることができたと思っています。
新しい価値観にたくさん触れたことで視野を広げることができました。例えば、セカンドキャリアで薬学部に在籍している方も多く、年上の方も子どもがいる方もいました。ということを強く感じました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

これからも積極性を示し自発的に行動していきたいです。自分にはない価値観を得ることの楽しさを改めて実感したため今後も新しい場所に飛び込みたくさんのことを吸収し出会いを大切にしたいです。

最後に

本当に良いご縁にたくさん恵まれた5週間となりました。このような貴重な機会をくださりありがとうございました。
一生忘れない思い出ができ参加して良かったと強く感じています。オレゴン州とその場所の人が大好きで、また会う約束をしているので必ず戻ります。
迷っている方は絶対に挑戦するべきです。なんでも聞いてください!

星薬科大学 2024年度留学生 S.T.さん

はじめに(参加動機や目的など)

私がパシフィック大学への留学を決めた理由は、アメリカの薬学教育や医療制度を直接体験し、多様な視点から学ぶことで国際的な医療知識と実践力を高めたいと考えたからです。特に、アメリカの薬学生が持つ積極的な姿勢やチームでの問題解決能力を学ぶことで、自身の成長につなげたいと思いました。
また、将来的に国際的な医療現場で働く可能性を視野に入れ、異文化に適応しながら臨機応変に対応できる力を養うことも大きな目的でした。また、アメリカの学生や現地の薬局や病院へ実際に足を運ぶことでコミュニケーション能力や実践的なスキルを向上させることも目的としました。

授業内容

授業は、薬学の基礎知識を学ぶ座学に加え、OSCE(客観的臨床能力試験)に向けた実践的なワークが多くありました。OSCE準備の演習では、シミュレーション患者を相手に問診や説明を行い、グループでフィードバックし合う場面が印象的でした。クラスメートと意見を交換しながら学ぶことで、異なる視点を得ると同時に、コミュニケーション能力が大きく向上しました。さらに、最新の医療薬学やアメリカの医療制度、薬学教育についても講義を受けることができました。
特に印象的だったのは、座学だけではなく病院と薬局などの現地の施設を合わせて5か所訪問できたことです。訪問では、各医療従事者の方から説明を受けながら施設を見学し、その都度疑問に思ったことなどを沢山質問することができました。また、オレゴン州薬剤師会にも訪問し、薬剤師のサポート体制について説明して頂くことでアメリカの薬剤師について理解を深めることができました。
最後には、就職のキャリアフェアを現地の学生と参加し、アメリカの薬剤師の職業選択の幅広さについて学ぶことができました。

現地生活・オフの過ごし方

食生活

基本的にルームシェアをしていた友人とスーパーへ買い出しに行き、自炊をしていました。時々ハンバーガーを食べたり、現地の友人とレストランで食事を楽しんだりしていました。

滞在先

学校から徒歩圏内の場所のAirbnbで友人とルームシェアをして、互いにサポートしながら過ごしました。

気候

前半は晴れの日が多く、過ごしやすい気候が続いていました。後半になると、ヒートテックが必要なくらい寒くなり、小雨も降り続いていました。

治安

基本的には、ロサンゼルスなどと比べると非常に治安が良く、安心して過ごすことができました。大学の周りも治安が良く、歩いて通うことができました。

休日の過ごし方

現地の友人とビーチやパンプキンパッチ、動物園・NBA観戦などに行って楽しみました。

その他

現地の授業に加え、日本の授業も受けつつ、就活も並行していたためスケジュールは非常にタイトでしたが、遊びも充実させたことでバランスの取れた日々を過ごせました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと

アメリカの薬学部・医療制度についてほとんど知りませんでしたが、詳細に学ぶことができて良かったと思います。また、アメリカの薬学生が積極的に勉強する姿勢に刺激を受け、自分も主体的かつ積極的に物事に取り組んでいこうと思いました。前の留学では英語で話すことに抵抗を感じていましたが、今回は現地の人々との対話を通じて、伝えることの重要性を再確認し、恐れずに質問や意見を述べる自信をつけることができました。さらに、実際に現地の薬局や病院を一人で訪問することで、実際の医療現場の雰囲気を肌で感じることができ、将来のキャリアへの具体的なイメージも持つことができて非常に良い経験ができました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

この留学で得た経験を活かし、将来的に治験や国際的な医療分野で働く際に役立てたいと考えています。特に、異なる文化や価値観による治験結果の相違をなくしていけるように貢献していきたいと思います。また、グローバルな視点を持つことで、文化の違いによる医療の質の差を最小限にし、多様な患者に最適な医療を届けることを目指していきたいと思います。

最後に

留学中に先生方や友人、そして温かく迎えてくれた現地の方々のおかげで非常に貴重な経験を積むことができました。サポートしてくださり、本当にありがとうございました。
これから留学を考えている後輩には、自分の目標をしっかりと持ちつつ頑張って欲しいと思います。スケジュールは大変なこともありますが、チャレンジすることで自分を大きく成長させる機会になります。また、現地の人たちもとても優しくとても楽しい留学になると思います。ぜひ、参加してみてください。

星薬科大学 2023年度留学生 S.S.さん

はじめに(参加動機や目的など)

私は幼い頃から英会話に通っていたこともあり、英語でコミュニケーションを取ることが好きでした。そのため、入学当初、本大学に交換留学プログラムがあることを知ったときから、必ずこのプログラムに挑戦することを決めていました。そして入学後、海外で薬剤師をする本学卒業生のお話を聞く機会があり、そこでアメリカの薬剤師の職能の広さや信頼の厚さを知った時、ますますその思いは強くなりました。

参加の目的は、アメリカの薬学教育や薬剤師の役割、ヘルスケアシステムを学ぶこと、現地の人々との交流を通じて自身の視野を広げることでした。これらを目的としていた私にとって、Pacific Universityでのプログラムは非常に魅力的なものでした。

授業内容

現地の先生方に組んでいただいたスケジュールに沿って、大学院1年生と2年生の講義を受けました。内容は、薬学の基礎から症例検討・患者面談などの応用まで様々です。グループアクティビティも多くあるため、クラスメイトと会話をする機会が増え。良好な関係を築くことができました。薬局や病院、政府機関などの施設を訪問する機会もいただき、臨床現場の様子や薬剤師の仕事、ヘルスケアシステムなどを学ぶことができました。また、薬学生がボランティアでワクチン接種をするflu shot clinicや、就職のためのキャリアフェアにも参加させていただきました。さらには、偶然の出会いから、日本語クラスにゲストとして参加したり、Physician assistantの先生の仕事を見学したりもしました。どの経験も一般的な語学留学では得ることのできない、このプログラム独自の、本当に特別で貴重な経験だったと思います。

現地生活・オフの過ごし方

滞在先

一緒に留学をした本学の学生とAirbnbで部屋を借りて生活しました。立地は、大学からバスで5分程の場所にありましたが、交通費を節約するため、片道30分の道のりを毎日歩いていました。車社会のアメリカでは、歩いて通勤通学をする人はほぼいないため、30分かかる道のりを毎日歩くことが、良い話のネタになりました。

食生活

食事は、基本的に一緒に留学をした本学の学生と滞在先のキッチンで作っていました。物価が高かったため、安く大容量の食材を買えるスーパーを探して、平日の食費は節約するようにしていました。飲料水も、大学にある無料のウォーターステーションのおかげで困ることはありませんでした。休日は、外食に行くことが多く、想像できる限りのアメリカンフードを食べたと思います。すぐに日本食が恋しくなるだろうとお米やそうめんを日本から持ち込みましたが、そこまで恋しくなることはなかったです。胃もたれをしたのも初日だけでした。今振り返ると、野菜はほとんど口にせず、片手に炭酸を握りしめ、アメリカンサイズのものをお腹いっぱいになるまで食べるという、非常に不健康な生活を送っていましたが、それもまた素晴らしい思い出です。

気候

オレゴンの秋冬は雨の日が多いと聞いていましたが、私が行った期間は幸いにも穏やかで晴れの日が多かったです。雨が降ってもジメジメしないため、ほとんどの人が傘をささず、代わりにレインジャケットのフードを被って過ごしていました。気温は、日中と朝晩の差が大きいため、脱ぎ着できる洋服が大活躍しました。

治安

アメリカで夜出歩くのは危険だと聞いていたため、早めの帰宅を心がけていました。大学のあったヒルズボロは比較的安全に感じましたが、都市部のポートランドに近づくとホームレスの方が多くいた印象です。1度帰宅が遅くなってしまった際に怖い思いをしたことはあったものの、それ以外は、皆さんがとても優しく、安心して穏やかに過ごすことができました。

休日の過ごし方

休日は、ポートランドに出て観光を楽しんだり、クラスメイトと一緒に過ごしたりすることが多かったです。特にクラスメイトとの時間は心に残り、ショッピングモールに行ったり、ハイキングをしたり、ドライブでビーチまで夕日を見に行ったりしました。また、ハロウィンが近かったこともあり、仮装のホームパーティに招待されたり、クラスメイトの家でジャックオランタンを作ったり、ハロウィン映画を一緒に鑑賞したりしました。これらの瞬間は私にとって特別で、思い出深いものになりました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと

今回のプログラムに参加して良かったと思う一番のことは、多くの人との出会いです。Pacific Universityには、他の国で薬剤師免許を取得した学生や、入学前は異なる職に就いていた学生、家庭を持つ学生など、様々な学生がいます。同じ志を持つ者として、彼らの考え方や文化を学ぶことができたことは貴重な経験だったと感じます。また同時に、「興味のあることに挑戦するのに年齢や出身、背景は関係ない」ということを学びました。年齢や出身、背景に関わらず、全ての人が薬剤師という職業に誇りを持ち、責任感と向上心に満ち溢れる姿勢には、日々刺激を受けておりました。そのような素晴らしい仲間たちと出会えたことが、私にとってこのプログラムでの一番大きな喜びでした。特に、彼らから「あなたたちの話を聞いて日本に興味を持った」と言ってもらえた時は、この上なく嬉しかったのを覚えています。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

今回の経験から、日本とアメリカの薬剤師になぜ地位の違いがあるのかを学びました。単に2つの国の医療制度に違いがあるからだけでなく、薬学生自身の医療に対する意識にも差があったように感じます。彼らとの経験を通じて、どうすれば自分が信頼される薬剤師になれるのか、そして、これからの医療にどのように貢献できるのかを考え続けたいと思います。

最後に

アメリカでの経験は、とても充実していてあっという間でした。これまでの人生で一番楽しかった1ヶ月といっても過言ではありません。1日の終わりには、朝の出来事が遠い昔に感じられるほど、毎日が濃密で、今でも一瞬一瞬を思い出すことができます。アメリカに行く前は、一人暮らし経験もない私がアメリカで生活できるのか、私の英語は通じるのか不安でいっぱいでしたが、アメリカの医療や文化に対する強い興味と「やるぞ」という気持ちさえあれば、どうにかなるものです。少しでも留学に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。かけがえのない1ヶ月が待っています。

最後に、この海外研修プログラムにおいてご協力いただきました星薬科大学の先生方、Pacific Universityの先生方をはじめ、関わってくださった全ての皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

星薬科大学 2023年度留学生 A.T.さん

はじめに(参加動機や目的など)

私は、グローバル化が進む現代において、医療分野での国際感覚や英語能力の向上が不可欠であると認識し、高校生の頃から本学の海外実務研修に興味を抱いていました。異なる文化や言語の環境で過ごすことは、将来の医療活動においてより柔軟性を持ち、グローバルな視野を養う重要な一環となると確信していました。特に米国の医療制度や薬剤師の役割に着目し、その高度な専門性やコミュニケーション能力を学び取り、将来の自己成長に繋げたいと考えました。米国では医療費が高額であるため、患者がまず薬局に行き、薬剤師に相談することが一般的です。薬剤師は非常に信頼され、処方権や注射権が与えられている州もあります。このような薬剤師の専門性と積極的なコミュニケーション能力に魅力を感じ、実際の現場でその姿を学びたいと強く思いました。

授業内容

留学中、1、2年生の授業に参加しました。1年次では製剤や生体内の動態などの基礎的な内容が中心でした。一方、2年次では痛みに関する臨床的知識を深めつつ、コミュニケーションスキルの向上を図る授業が展開されました。授業は午前午後ともに3時間ずつで、知識の吸収とグループディスカッションを通じた知識の実践的応用が重視されていました。

特に印象的だったのは、吸入器やインスリン注射の打ち方を詳細に説明する実技指導が含まれていたことです。これらの実践的なトレーニングは、将来の実務において患者に対して適切な指導を行う際に役立つものであり、薬剤師としての実践的なスキル向上につながると思いました。さらに、患者の状態の聞き取りやOTC(市販薬)の販売に関するコミュニケーションのテストが毎週あったことも印象的でした。

現地生活・オフの過ごし方

食生活

留学中、朝食にはポートランドで評判の高いドーナッツや、スーパーで手に入るマフィンやパンを楽しむことができました。昼食は大学内の小さな売店では限られた選択肢しかなかったため、自らベーコンエッグサンドやピザトーストを調理していました。夕食は自炊が主で、パスタやオムライスなど様々な料理を作りました。日本にはないアメリカのハンバーガーチェーンも積極的に試してみました。

滞在先

当初はホームステイ先を探していましたが、なかなか見つからなかったため、最終的には大学から徒歩30分の場所にあるAirbnbで1ヶ月間の滞在を選びました。大学から共に留学した方と共同で生活し、近くに住むホストの方のサポートがありました。

気候

10月のポートランドは雨が多いと聞いていましたが、滞在中は意外にも雨は少なく、乾燥した気候であり、日本のように雨が降ってもジメジメすることはありませんでした。大粒の雨が降っているのに傘をささない現地の人々に驚きました。

治安

ポートランドではホームレスの方が多く、夜は早めに帰宅するよう心がけていました。また自家用車の利用が主流で、日本とは異なる交通機関の利用傾向を感じました。

休日の過ごし方 

ポートランドのバラ園やオレゴン動物園や大きな本屋を訪れ、仲良くなった現地の友人とビーチやハイキングにも出かけました。ハロウィンが近かったためパンプキンパッチにも行き、友人と一緒にジャックオーランタンを制作しました。

その他

キャッシュレス社会の進展に驚き、現金の使用頻度が日本よりも低いことに気づきました。

また、給水ができるリフィルスポットが日本よりも充実しており、学生たちがタンブラーを持ち歩く姿がよく見られました。ペットボトルの使用を減らすエコな意識が広がっていることを感じました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと

留学を通じて、現地での保険制度や医療システムの実態を直に学ぶことができ、サプリメントの種類の多様さや授業内容からセルフメディケーションの意識の高さを感じました。具体的な医療体制の違いや課題に触れ、これを日本の状況と比較・分析することで、将来の医療への理解を深めることができました。また、留学先の学生たちの自主性や積極的な学び方に触れる中で、自身もより主体的かつ柔軟な学び方を身につけることができました。異なる文化背景での学びのスタイルやアプローチを理解し、これを自分の成長に結びつけることで、より豊かな学びの経験を得られました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

この留学体験を通じて得た知識や経験を、将来の職場で積極的に活用し、医療現場や薬剤師業務をより良いものにしていくことが私の目標です。国外で学んだ臨床現場や薬学の違いを日本と比較し、その違いによる利点や課題を理解し、改善提案につなげていきます。具体的な事例や成功体験をもとに、効率的で質の高い医療サービスの提供方法を同僚や上司と共有し、現場に導入することで、患者の利便性向上と医療の質の向上に貢献したいです。また、留学先での協力体制やチーム医療の経験を通じて、円滑な連携とコミュニケーションの大切さを学びました。これを日本の医療現場に取り入れ、他職種との協力関係を強化し、より包括的な医療サービスを提供できるよう努力します。さらに、多様なバックグラウンドを持つ患者に対しても適切で配慮深いアプローチができるよう、言語や文化の理解を深め、教育やカウンセリングに活かしていきます。これらの目標を通じて、留学から得た経験を未来の薬剤師として実践に生かし続けることで、日本の医療環境の向上に貢献し、患者の健康と幸福に寄与していくことを目指しています。

最後に

この留学体験は私にとって非常に有意義なものとなりました。本学の先生、職員の皆様や現地の大学の方々には、心温かいサポートと様々な経験を提供していただき、感謝の意を表したいです。また、クラスメイトたちとの交流は思い出深いもので、彼らの協力と友情にとても感謝しています。留学を通じて得た新たな視点や経験を、多くの方に共有したいと思います。新しい文化や環境に飛び込むことは、怖いですが、自分自身をより広く深く成長させる貴重な機会だと思いました。未知の世界に挑戦することで見えてくるものはきっとたくさんあります。自らの枠を超えて積極的に学び、挑戦する心を持ち続けて欲しいと願っています。

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