EDUCATION

星薬生の留学体験レポート パシフィック大学

星薬科大学 2023年度留学生 S.S.さん

はじめに(参加動機や目的など)

私は幼い頃から英会話に通っていたこともあり、英語でコミュニケーションを取ることが好きでした。そのため、入学当初、本大学に交換留学プログラムがあることを知ったときから、必ずこのプログラムに挑戦することを決めていました。そして入学後、海外で薬剤師をする本学卒業生のお話を聞く機会があり、そこでアメリカの薬剤師の職能の広さや信頼の厚さを知った時、ますますその思いは強くなりました。

参加の目的は、アメリカの薬学教育や薬剤師の役割、ヘルスケアシステムを学ぶこと、現地の人々との交流を通じて自身の視野を広げることでした。これらを目的としていた私にとって、Pacific Universityでのプログラムは非常に魅力的なものでした。

授業内容

現地の先生方に組んでいただいたスケジュールに沿って、大学院1年生と2年生の講義を受けました。内容は、薬学の基礎から症例検討・患者面談などの応用まで様々です。グループアクティビティも多くあるため、クラスメイトと会話をする機会が増え。良好な関係を築くことができました。薬局や病院、政府機関などの施設を訪問する機会もいただき、臨床現場の様子や薬剤師の仕事、ヘルスケアシステムなどを学ぶことができました。また、薬学生がボランティアでワクチン接種をするflu shot clinicや、就職のためのキャリアフェアにも参加させていただきました。さらには、偶然の出会いから、日本語クラスにゲストとして参加したり、Physician assistantの先生の仕事を見学したりもしました。どの経験も一般的な語学留学では得ることのできない、このプログラム独自の、本当に特別で貴重な経験だったと思います。

現地生活・オフの過ごし方

滞在先

一緒に留学をした本学の学生とAirbnbで部屋を借りて生活しました。立地は、大学からバスで5分程の場所にありましたが、交通費を節約するため、片道30分の道のりを毎日歩いていました。車社会のアメリカでは、歩いて通勤通学をする人はほぼいないため、30分かかる道のりを毎日歩くことが、良い話のネタになりました。

食生活

食事は、基本的に一緒に留学をした本学の学生と滞在先のキッチンで作っていました。物価が高かったため、安く大容量の食材を買えるスーパーを探して、平日の食費は節約するようにしていました。飲料水も、大学にある無料のウォーターステーションのおかげで困ることはありませんでした。休日は、外食に行くことが多く、想像できる限りのアメリカンフードを食べたと思います。すぐに日本食が恋しくなるだろうとお米やそうめんを日本から持ち込みましたが、そこまで恋しくなることはなかったです。胃もたれをしたのも初日だけでした。今振り返ると、野菜はほとんど口にせず、片手に炭酸を握りしめ、アメリカンサイズのものをお腹いっぱいになるまで食べるという、非常に不健康な生活を送っていましたが、それもまた素晴らしい思い出です。

気候

オレゴンの秋冬は雨の日が多いと聞いていましたが、私が行った期間は幸いにも穏やかで晴れの日が多かったです。雨が降ってもジメジメしないため、ほとんどの人が傘をささず、代わりにレインジャケットのフードを被って過ごしていました。気温は、日中と朝晩の差が大きいため、脱ぎ着できる洋服が大活躍しました。

治安

アメリカで夜出歩くのは危険だと聞いていたため、早めの帰宅を心がけていました。大学のあったヒルズボロは比較的安全に感じましたが、都市部のポートランドに近づくとホームレスの方が多くいた印象です。1度帰宅が遅くなってしまった際に怖い思いをしたことはあったものの、それ以外は、皆さんがとても優しく、安心して穏やかに過ごすことができました。

休日の過ごし方

休日は、ポートランドに出て観光を楽しんだり、クラスメイトと一緒に過ごしたりすることが多かったです。特にクラスメイトとの時間は心に残り、ショッピングモールに行ったり、ハイキングをしたり、ドライブでビーチまで夕日を見に行ったりしました。また、ハロウィンが近かったこともあり、仮装のホームパーティに招待されたり、クラスメイトの家でジャックオランタンを作ったり、ハロウィン映画を一緒に鑑賞したりしました。これらの瞬間は私にとって特別で、思い出深いものになりました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと

今回のプログラムに参加して良かったと思う一番のことは、多くの人との出会いです。Pacific Universityには、他の国で薬剤師免許を取得した学生や、入学前は異なる職に就いていた学生、家庭を持つ学生など、様々な学生がいます。同じ志を持つ者として、彼らの考え方や文化を学ぶことができたことは貴重な経験だったと感じます。また同時に、「興味のあることに挑戦するのに年齢や出身、背景は関係ない」ということを学びました。年齢や出身、背景に関わらず、全ての人が薬剤師という職業に誇りを持ち、責任感と向上心に満ち溢れる姿勢には、日々刺激を受けておりました。そのような素晴らしい仲間たちと出会えたことが、私にとってこのプログラムでの一番大きな喜びでした。特に、彼らから「あなたたちの話を聞いて日本に興味を持った」と言ってもらえた時は、この上なく嬉しかったのを覚えています。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

今回の経験から、日本とアメリカの薬剤師になぜ地位の違いがあるのかを学びました。単に2つの国の医療制度に違いがあるからだけでなく、薬学生自身の医療に対する意識にも差があったように感じます。彼らとの経験を通じて、どうすれば自分が信頼される薬剤師になれるのか、そして、これからの医療にどのように貢献できるのかを考え続けたいと思います。

最後に

アメリカでの経験は、とても充実していてあっという間でした。これまでの人生で一番楽しかった1ヶ月といっても過言ではありません。1日の終わりには、朝の出来事が遠い昔に感じられるほど、毎日が濃密で、今でも一瞬一瞬を思い出すことができます。アメリカに行く前は、一人暮らし経験もない私がアメリカで生活できるのか、私の英語は通じるのか不安でいっぱいでしたが、アメリカの医療や文化に対する強い興味と「やるぞ」という気持ちさえあれば、どうにかなるものです。少しでも留学に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。かけがえのない1ヶ月が待っています。

最後に、この海外研修プログラムにおいてご協力いただきました星薬科大学の先生方、Pacific Universityの先生方をはじめ、関わってくださった全ての皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

星薬科大学 2023年度留学生 A.T.さん

はじめに(参加動機や目的など)

私は、グローバル化が進む現代において、医療分野での国際感覚や英語能力の向上が不可欠であると認識し、高校生の頃から本学の海外実務研修に興味を抱いていました。異なる文化や言語の環境で過ごすことは、将来の医療活動においてより柔軟性を持ち、グローバルな視野を養う重要な一環となると確信していました。特に米国の医療制度や薬剤師の役割に着目し、その高度な専門性やコミュニケーション能力を学び取り、将来の自己成長に繋げたいと考えました。米国では医療費が高額であるため、患者がまず薬局に行き、薬剤師に相談することが一般的です。薬剤師は非常に信頼され、処方権や注射権が与えられている州もあります。このような薬剤師の専門性と積極的なコミュニケーション能力に魅力を感じ、実際の現場でその姿を学びたいと強く思いました。

授業内容

留学中、1、2年生の授業に参加しました。1年次では製剤や生体内の動態などの基礎的な内容が中心でした。一方、2年次では痛みに関する臨床的知識を深めつつ、コミュニケーションスキルの向上を図る授業が展開されました。授業は午前午後ともに3時間ずつで、知識の吸収とグループディスカッションを通じた知識の実践的応用が重視されていました。

特に印象的だったのは、吸入器やインスリン注射の打ち方を詳細に説明する実技指導が含まれていたことです。これらの実践的なトレーニングは、将来の実務において患者に対して適切な指導を行う際に役立つものであり、薬剤師としての実践的なスキル向上につながると思いました。さらに、患者の状態の聞き取りやOTC(市販薬)の販売に関するコミュニケーションのテストが毎週あったことも印象的でした。

現地生活・オフの過ごし方

食生活

留学中、朝食にはポートランドで評判の高いドーナッツや、スーパーで手に入るマフィンやパンを楽しむことができました。昼食は大学内の小さな売店では限られた選択肢しかなかったため、自らベーコンエッグサンドやピザトーストを調理していました。夕食は自炊が主で、パスタやオムライスなど様々な料理を作りました。日本にはないアメリカのハンバーガーチェーンも積極的に試してみました。

滞在先

当初はホームステイ先を探していましたが、なかなか見つからなかったため、最終的には大学から徒歩30分の場所にあるAirbnbで1ヶ月間の滞在を選びました。大学から共に留学した方と共同で生活し、近くに住むホストの方のサポートがありました。

気候

10月のポートランドは雨が多いと聞いていましたが、滞在中は意外にも雨は少なく、乾燥した気候であり、日本のように雨が降ってもジメジメすることはありませんでした。大粒の雨が降っているのに傘をささない現地の人々に驚きました。

治安

ポートランドではホームレスの方が多く、夜は早めに帰宅するよう心がけていました。また自家用車の利用が主流で、日本とは異なる交通機関の利用傾向を感じました。

休日の過ごし方 

ポートランドのバラ園やオレゴン動物園や大きな本屋を訪れ、仲良くなった現地の友人とビーチやハイキングにも出かけました。ハロウィンが近かったためパンプキンパッチにも行き、友人と一緒にジャックオーランタンを制作しました。

その他

キャッシュレス社会の進展に驚き、現金の使用頻度が日本よりも低いことに気づきました。

また、給水ができるリフィルスポットが日本よりも充実しており、学生たちがタンブラーを持ち歩く姿がよく見られました。ペットボトルの使用を減らすエコな意識が広がっていることを感じました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと

留学を通じて、現地での保険制度や医療システムの実態を直に学ぶことができ、サプリメントの種類の多様さや授業内容からセルフメディケーションの意識の高さを感じました。具体的な医療体制の違いや課題に触れ、これを日本の状況と比較・分析することで、将来の医療への理解を深めることができました。また、留学先の学生たちの自主性や積極的な学び方に触れる中で、自身もより主体的かつ柔軟な学び方を身につけることができました。異なる文化背景での学びのスタイルやアプローチを理解し、これを自分の成長に結びつけることで、より豊かな学びの経験を得られました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

この留学体験を通じて得た知識や経験を、将来の職場で積極的に活用し、医療現場や薬剤師業務をより良いものにしていくことが私の目標です。国外で学んだ臨床現場や薬学の違いを日本と比較し、その違いによる利点や課題を理解し、改善提案につなげていきます。具体的な事例や成功体験をもとに、効率的で質の高い医療サービスの提供方法を同僚や上司と共有し、現場に導入することで、患者の利便性向上と医療の質の向上に貢献したいです。また、留学先での協力体制やチーム医療の経験を通じて、円滑な連携とコミュニケーションの大切さを学びました。これを日本の医療現場に取り入れ、他職種との協力関係を強化し、より包括的な医療サービスを提供できるよう努力します。さらに、多様なバックグラウンドを持つ患者に対しても適切で配慮深いアプローチができるよう、言語や文化の理解を深め、教育やカウンセリングに活かしていきます。これらの目標を通じて、留学から得た経験を未来の薬剤師として実践に生かし続けることで、日本の医療環境の向上に貢献し、患者の健康と幸福に寄与していくことを目指しています。

最後に

この留学体験は私にとって非常に有意義なものとなりました。本学の先生、職員の皆様や現地の大学の方々には、心温かいサポートと様々な経験を提供していただき、感謝の意を表したいです。また、クラスメイトたちとの交流は思い出深いもので、彼らの協力と友情にとても感謝しています。留学を通じて得た新たな視点や経験を、多くの方に共有したいと思います。新しい文化や環境に飛び込むことは、怖いですが、自分自身をより広く深く成長させる貴重な機会だと思いました。未知の世界に挑戦することで見えてくるものはきっとたくさんあります。自らの枠を超えて積極的に学び、挑戦する心を持ち続けて欲しいと願っています。

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