ビッグデータの入手が容易になった現代において、あらゆる分野で、従来の単なるコンピュータの知識や操作にとどまらず、より踏み込んだデータサイエンス(ビッグデータの利活用)の素養が必要とされている。
データサイエンスは社会の需要に敏感に反応した分野である。そのため、それを学んだ者は社会において、即戦力として大いに期待され、確かに短期的にはそれにこたえることはできる。しかし、技術の進歩が著しい分野ゆえに、新しい知識、技術、操作等の習得が追い付かず、やがて必要とされなくなるという危険な一面もある。これは情報分野に特徴的な一面であり、データサイエンスの分野においても例外ではない。特に、教育が表層的なコンピュータ操作等に偏るとその傾向がさらに強まることが知られている。
長期的展望に立った息の長いデータサイエンス教育が求められている。この視点に立ち、情報およびその関連の科目群において、内容を慎重に選び、基礎概念の徹底的な習得を目指している。