日本を含め世界では、現在の治療法では完治することが難しい難治性疾患で苦しむ人が数多くいます。そんな患者さんたちは、それら難治性疾患を患うことにより、普段の生活で身体的な痛みや精神的な苦痛を味わい、各人の理想の生活を送れない人がほとんどです。例えば「がん」を患うと、がん自体の痛みだけではなく、薬による副作用も問題になります。つまり、薬の副作用で脱毛や吐き気、白血球などの減少による免疫力の低下がみられます。また、患者自身の生活の質(Quality of life)の低下も引き起こします。
当研究室では、がんに対する新たな診断法・治療法の確立を目指し、1つは、薬物送達システム(DDS; Drug delivery system)、イメージングの各技術を駆使し、がんの悪性化の解明、新規治療法や早期診断法の開発、予後バイオマーカーの探索を進めています。また分子生物学的手法を駆使し、昨今注目を集めるがん微小環境を標的とした新規の治療標的・バイオマーカーの探索も進めています。さらに学内だけでなく、国内外の研究者と様々な共同研究を進めています。特に昨今の医学・薬学研究は広範囲におよぶため、薬学の分野にとどまらない共同研究をおこなっています。
最終的には、ここで得た知見や生まれた新しい技術・製剤を、臨床現場にフィードバックすることを目標にしています。これらの研究成果を、特許や専門学会での発表、専門誌への論文掲載という形で公表することで、社会へ還元していきます。また当研究室は大学という教育の場でもあるため、学生がこれらの研究活動を通じて、知識と技術だけでなく、責任感を兼ね備えた人材として巣立っていけるような環境を提供しています。
がん治療/診断・イメージング・DDS・バイオマーカー・がん微小環境