近年のアレルギー研究は、おもに免疫系の細胞を中心とした発症機序解明に力が注がれ、成果をあげてきています。しかしながら、実際のアレルギー患者の多くは「今ある症状」に苛まれており、この症状を急速かつ永続的に緩解させるような薬物・治療法の確立が望まれています。多くのアレルギー疾患で問題となるのが標的臓器・組織の過敏性であり、例えば気管支喘息の根底には気道過敏性が存在し、わずかな刺激でも気道が過剰に収縮し、喘息死の原因となります。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎においても鼻粘膜や皮膚の過敏性が根底に存在しており、わずかな刺激でも激しい症状が惹起され、患者のQOLを著しく低下させてしまいます。
これらの点に着目し、「アレルギー標的臓器・細胞に焦点を当ててその質的変化について新たな発症メカニズム解明を行い、これまでにない新規アレルギー治療薬の開発をめざす」をコンセプトに研究を行っています。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)