21世紀の医学・医療は「必要な患者に必要な量の薬剤を投与する」という、オーダーメイド医療の時代と言われています。病院においては、医療チーム(医師、薬剤師、看護師、検査技師、栄養士等)の中で「薬の専門家」として高度な臨床的知識を有し、医療事故を防止するリスクマネジャーとしての薬剤師の養成が求められています。
一方、保険薬局においては、国民の健康管理のために地域医療を担う「かかりつけ薬局」としての責務が求められてきました。すなわち、処方せん調剤だけでなく、高齢化社会での在宅医療ケアプラン作成への参加、一般用医薬品、健康食品および栄養素補給のためのサプリメント等の販売においても、患者の状況に応じた指導や適切なアドバイスが望まれ、優れたコミュニケーション能力を持った薬剤師の育成が急務とされています。
このような国民のニーズを反映して、6年制薬学教育が平成18年4月から開始されました。6年制薬学教育においては、従来の教育に加えて、4年次に実務実習事前学習を行い、CBT(computer based testing) とOSCE (objective structured clinical examination 実地試験)と呼ばれる共用試験に合格後、5年次に病院および薬局で各々2.5ヵ月間の長期実務実習が行われます。
当部門は、平成17年4月に創設され、ヒューマニズム教育、実務実習事前学習、OSCEおよび長期実務実習を主に担当し、「薬剤師である前に一人の常識ある社会人であること」及び「薬学の知識だけでなく、幅広い知識を修得したバランスの取れた薬剤師の養成」を目標として、学生教育に取り組んでいます。