星薬科大学 学生の皆様へ
生成AI の利用に関するご案内
2023 年7 月19日
情報企画室
最近、ChatGPT などの生成AI(人工知能)の活用が広がっており、大学教育、研究環境においても多くの可能性が見込まれています。生成AI の技術を活用することで、情報の検索、レポートの作成、新たな知識の獲得など、さまざまな作業を効率的にこなすことが可能となります。
一方で、生成 AI を活用する上で注意すべきポイントも存在します。以下に、これらのポイントをご紹介しますので、皆さんの参考となればと思います。
(1)情報の信頼性と真正性の確認を
生成AI は一般的に信頼性のある情報源から学習しますが、それらが常に「最新」または「正確」であるとは限りません。また、生成AI は文脈や論理性を十分に理解していないことも多くあります。生成AI からの情報をそのまま引用する前に、必ず別の信頼性の高い情報源で情報を確認するようにしましょう。生成AI の出力をレポートや課題の解答にそのまま利用することは、自分で考えたり調べたりすることに代わるものではありません。生成AI はあくまで参考や補助として使い、自分で正しい内容かどうかを確認し、自分の言葉で書き直すことが重要です。
(2)著作権の問題があります
利用目的および既存著作物との類似性によっては、AI 生成物の利用が著作権侵害となる可能性があります。例えば文化庁の令和5 年度著作権セミナー「AI と著作権」では、AI 利用者に以下の2点に注意するよう促しています。
①利用方法が権利制限規定に該当するか
権利制限規定に該当する利用法(特定条件を満たす学習教材としての利用など)の場合、生成物が既存著作物と類似していても利用可能です。
②既存の著作物と類似性のあるものを生成していないか
権利制限規程に該当せず、既存著作物と類似性のある生成物の利用については、利用の中止、許諾の取得といった対応が必要です。
生成AI の出力をレポートや課題の回答としてそのまま提出した場合は、剽窃(ひょうせつ)とみなされる可能性がありますので注意して利用しましょう。
(3)情報保護の意識が必要です
生成 AI に入力した情報はAIの学習に利用される可能性があります。このため、個人情報や機微な情報を入力しないでください。また、未発表の論文や個人情報、プライバシー情報などを生成 AI に入力してしまうと、それらの情報が意図せず流出・漏えいしてしまう可能性があります。入力する情報は慎重に選びましょう。
なお、以上の注意点に加え、授業や研究室によっては、生成 AI の利用を禁止したり制限したりする場合があります。生成 AI の利用は授業や研究室ごとに、担当教員の指示に従うようにしてください。
生成 AI は、学習を含む様々な場面において、効率を高める有用なツールとなり得ます。適切な注意を払いつつ実際に触れてみることで、生成 AI を活用する際の知識と理解を深めることを奨励します。
参考:文化庁 「AIと著作権」 講演映像及び講演資料
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/93903601.html