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研究
2021.02.13

大竹史明特任准教授、相馬愛特任助教(先端生命科学研究所)、秋月慶乃さん(創薬科学科)らが研究成果を米国科学誌「Cell」姉妹紙「Molecular Cell」に発表しました。

先端生命科学研究所の大竹史明特任准教授(責任著者)、相馬愛特任助教、五十嵐勝秀研究所長、秋月慶乃さん(創薬科学科3年生)らは、公財東京都医学総合研究所の田中啓二理事長および佐伯泰参事研究員、東京大学の内藤幹彦特任教授、国立医薬品食品衛生研究所の出水庸介部長らとの共同研究により、がんなどの疾患の原因となるタンパク質を細胞内から取り除く薬剤「標的タンパク質分解誘導薬剤」の新たな作用メカニズムを解明し、作用を促進する酵素を世界で初めて発見しました。成果はMolecular Cell(2021年2月10日オンライン掲載)に発表されました。

研究成果の概要
「標的タンパク質分解誘導法」は、がんなどの疾患の原因タンパク質を細胞内で分解消去することで、従来の方法では標的にできなかったタンパク質を狙うことを可能とする画期的な創薬コンセプトです。がん治療薬の臨床試験が開始されるなど、大きな注目を集めています。しかし、作用メカニズムには不明な点がありました。

今回研究グループは、分解誘導剤の作用を促進する酵素(TRIP12)を世界で初めて見出しました。TRIP12はがん細胞において疾患タンパク質の分解を促進し、分解誘導剤によるがん細胞死を促進していました。さらにこのメカニズムとして、TRIP12がタンパク質を分解に導く特殊な目印の合成に関与していることを突き止めました。

この知見をもとにTRIP12を活性化することができれば、がん治療薬の効果を高めることができる可能性があります。また、同様の手法によって分解誘導薬の促進因子・抑制因子が明らかになっていけば、がんで高発現する疾患原因タンパク質を分解し、薬の効果を高効率化・高精度化していくことが期待されます。                                            (2021年2月10日発行日刊工業新聞(記事掲載 26 面))

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