第7回 言の葉大賞 授賞式について
薬理学教室 学部3年
筒井寿穂
平成29年3月25日、国立京都国際会館にて一般社団法人言の葉協会主催「第7回言の葉大賞授賞式」が執り行われた。今回のテーマは『「生きぬく力」を感じた瞬間《とき》』で、小学生から社会人まで幅広い年代からの作品が集まった。応募総数は14,587通、その中から最優秀賞13作品、優秀賞29作品を含む177作品が入賞として選ばれ、私は入賞を頂いた。
当日は200名を超える参加があり、受賞者には賞状と全入賞作品を収録したオリジナル冊子が配布された。審査員によるシンポジウムでは言葉と教育についての議論がなされた。その中で印象に残っているものとしては、教育のあり方の1つとして、「1対名もなき大勢の講義」よりも、「対話」が重要であるといった内容であった。教育の現場では、単なる一方的な情報伝達ではなく、自分の考えを持ち相互に討論することが重要であるという考えに深く共感をした。さらには、女優の檀ふみ氏による最優秀賞および優秀賞受賞作品の朗読も行われた。また、大変光栄なことに京都市長である門川大作氏が駆けつけてくださり、歓迎のお言葉と激励のメッセージを頂いた。
今回私が受賞した内容は、フィリピンのカオハガン島を訪れた際に、日本との比較を交えて、「幸せ」について書いたものである。島での生活は日本では考えられないものばかりであった。まず電気がないため、日の出と共に一日が始まり日没と共に一日が終わる。故に時計やインターネットなど存在せず、ゆっくりと時間が流れていく穏やかな日々であった。学校は小学校までしかなく、子供たちは島を出ても生活できるように最低限の英語と算数を習っていた。食事は海産物中心の自給自足で、保存手段がないため漁に出ても、家族の暮らしに必要な一日分しかとってこない。また、最終日に豚の丸焼きが振る舞われたが、その豚も日々島民たちによって大切に育てられたものであった。このように、日本とは比較にならないほど生活水準が低いが、島の人々が笑顔を絶やすことはなかったことが印象的であった。彼らは貧しくても一日一日を力いっぱい楽しく生きていた。今回の旅を通して、「大自然の恵みに感謝している」という想いに非常に感銘を受け、こうした経験を形に残しておきたいという気持ちが今回の執筆に至った経緯である。
最後に、このような体験ができたこと、そして受賞に際し祝福の言葉をかけてくださった方々に心から感謝を申し上げる。