一般財団法人糧食研究会2018年度一般公募研究の採択について
機能形態学研究室
准教授 松本貴之
この度、一般財団法人糧食研究会2018年度一般公募研究において採択を賜り、誠に光栄に存じます。
糧食とは食糧のことで、主として主食物をさします。糧食研究会は、「国民糧食の安定及び改良を図る」 ことを目的として1921年に農林大臣の認可を受け設立された、食糧関係では最も古い歴史を持つ財団法人です。これまでに、「食」 に関わる研究テーマで多くの研究助成を行っております。
私は、「食と腸内細菌代謝物を介した血管機能制御機構の解明」 という研究テーマで本研究助成を賜りました。
ヒトの腸内細菌叢は、食事を始めとして生活習慣によって影響を受けます。近年、腸内細菌叢のバランス変化が、ヒトの健康に関わることが明らかとなりつつあります。また、腸内細菌からつくられる物質は、血中に入り、循環器疾患にも関わることが明らかとなってきました。しかしながら、腸内細菌からつくられる物質の血管機能 (内皮機能・平滑筋機能) への直接的な影響に関しては、未だほとんど明らかとされておりません。そこで、腸内細菌からつくられる物質の血管収縮・弛緩反応に対する影響や、感受性変化、分子機序を様々な角度から検討することが、血管機能障害に関連する疾患と腸内細菌、さらには食とのつながりを理解するために重要であると考えました。本研究では、このような課題に対し、長年培ってきた研究技術を駆使して一つ一つ明らかにして行こうと考えております。
最後に、本助成応募に際し、推薦していただきました先生方ならびに関係者の皆様に心より感謝申し上げます。