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事前学習のあらまし

事前学習のあらまし




 
1.事前学習について
 薬学教育が6年制になり、病院・調剤薬局において、「薬の専門家」としての知識・技能・コミュニケーション能力のある薬剤師を養成することが求められており、そのために病院・調剤薬局での長期実務実習が義務付けられています。
 まず、臨床現場にでるための基礎となる知識・技能・態度を身に付けるために、学内で事前実習を行います。本学では、”正確な調剤ができる薬剤師”という基本を重視し、モデル薬局を利用して、処方せんの受付、処方せんの疑義に対する医師への問合せ、計量・計数調剤、調剤監査、調剤されたお薬を模擬患者に分かり易い言葉で、お薬の飲み方(使用方法)、効能、注意事項などを説明しながらお渡しするという調剤の一連の流れを”ロールプレイ”方式で行います。また、同様な方式で、モデル病室を利用し、模擬入院患者からの初回インタビュー、患者へのお薬の飲み方などの説明・指導を行い、臨床現場に近い環境で薬剤師の業務を実践します。
 一方、モデル調剤薬局を利用して、患者の飲んでいるお薬やサプリメント、アレルギー歴などの情報収集、薬歴管理、保険請求、レセプト計算などの実習を行います。その他、お薬相談やOTC・サプリメント・健康食品・在宅医療用機器などの販売業務に必要な教育を行います。これらの実習を通して、患者や他の医療従事者(医師・看護師など)への医薬品の情報提供やスタッフミーティングなどに必要なコミュニケーション能力を修得します。
 さらに、無菌製剤室における無菌操作による製剤の調整、注射剤や点滴用輸液の混合調製、お薬を有効で安全に使用するためのTDM(薬物血中濃度モニタリング)の測定・解析なども重要な薬剤師の業務になってきており、少人数制で実習を行います。

 2.事前学習の概要
    ■ 単位数 : 8単位
    ■ 時間数 : 75分×127コマ
    ■ 時 期 : 4年前期(4月~7月)、後期1(9月~11月)、後期2(11月)
    ■ 教 員 : 部門長1名、実務家教員8名、非常勤講師6名
    ■ 学 生 : 260名(130名ずつ2クール)

 3.評 価
    ■ 講 義 : 前期・後期に1回ずつ客観的試験(筆記試験)を行う。
    ■ 演 習 : ロールプレイに対してチェック表を作成し、評価する。
           発表に対しては、フィードバックを行わない、レポートにより形成的評価を
           行う。
    ■ 実習(技能): チェック表を作成し形成的評価を行う。

 4。事前学習モデル・コアカリキュラム
  
SBOs
 1.事前学習を始めるにあたって
  (1) 薬剤師業務に注目する
(2) チーム医療に注目する
(3) 医薬分業に注目する
 2.処方せんと調剤
  (1) 処方せんの基礎
(2) 医薬品の用法・用量
(3) 服薬指導の基礎
(4) 調剤室業務入門
 3.疑義照会
  (1) 疑義照会の意義と根拠
(2)疑義照会入門
 4.医薬品の管理と供給
  (1) 医薬品の安全性に注目する
(2) 特別な配慮を要する医薬品
(3) 製剤化の基礎
(4) 注射剤と輸液
(5) 消毒薬
 5.リスクマネージメント
  (1) 安全管理に注目する
(2) 副作用に注目する
(3) リスクマネージメント入門
  6.服薬指導と患者情報
  (1) 服薬指導に必要な技能と態度
(2) 患者情報の必要性に注目する
(3) 服薬指導入門
  7.事前学習まとめ


〔学内の実習施設〕
調剤実習室 無菌製剤室
調剤実習室 無菌調剤室
調剤実習室
 基本的な調剤(散剤・水剤・軟膏剤)方法を修得します。

無菌製剤室
 無菌操作による製剤及び注射薬の混合方法の基礎を修得します。

モデル薬局1 モデル薬局2
モデル薬局1 モデル薬局2
モデル病院薬局
 院内処方せんを調剤し、患者に薬の情報を提供するまでの流れを修得します。


モデル調剤薬局
 患者の初回インタビュー・院外処方せん調剤・薬の情報提供及び一般薬・サプリメントなどの相談・販売業務を実践します。

〔事前実習のスナップ〕
無菌調整・講義 無菌操作の基本を修得
無菌調整・講義 無菌操作の基本を確認
教員による調製方法の確認 点滴ルートの確認・点滴速度の調節
教員による調剤方法の確認 点滴ルートの確認・点滴速度の調整
計量調剤(散剤) 計量調剤(水剤)
計量調剤(散剤) 計量調剤(水剤)
計量調剤(軟膏) 調剤監査
計量調剤(軟膏)
薬剤交付 疑義照会
薬剤交付 疑義照会