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薬学的知識をいかして、病院内の多職種と連携し、集中治療部で重篤患者さんの命を支える。

聖ヨゼフ学園高等学校出身
薬学科2022年度卒業
【病院薬剤師】奥山 沙弥さん
勤務先:横浜市立大学附属市民総合医療センター
薬剤部(2025年12月取材当時)
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入学時の将来像

家族の病気と、薬剤師の母の姿を通して
薬の可能性と役割に関心を持つように。

薬学を志したきっかけは、中学生の頃に家族が病気で入院した経験です。一時はICUに入るほど重篤な状態でしたが、本来は別の疾患に用いられていた薬が、その病気にも適応があるとして投与され、少しずつ容態が安定していきました。当時、医師から説明を受けたものの、私には十分に理解しきれない部分もありましたが、薬剤師として働く母が、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれたことで、漠然とした不安が確かな安心へと変わりました。薬が持つ本来の用途以上の可能性、そしてその複雑な情報を患者さんや家族へ正しく届ける役割を、身近な出来事を通して実感し、薬学の道を志しました。

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学生時代に得た経験

単科大学ならではの環境で薬学を深めながら、
研究・学園祭・OCスタッフの経験を積み重ねる。

星薬科大学を選んだ理由の一つは、薬学に特化した単科大学であることです。総合大学も検討しましたが、薬学に集中して学べる環境の方が自分には合っていると感じました。オープンキャンパスや学園祭に参加した際、先生と学生の距離が近く、学生同士もいきいきと過ごしている雰囲気が印象に残り、この環境で学びたいと思い入学を決めました。
入学後は、薬学の基礎から段階を追って学びながら、3年次から薬理学研究室に所属しました。臨床とのつながりがイメージしやすいがん領域のチームを選びましたが、研究室には「がん治療」「遺伝子分野」など、多岐にわたるテーマがあり、学内の先生方だけでなく、学外の医師や薬剤師、研究機関の方々から講義を受ける機会も多くありました。こうした環境で薬学分野の幅広さを肌で感じながら研究に取り組んだ経験は、現在、臨床現場で薬の効果や副作用を多角的に考える際の基盤になっています。病院実習や就職活動に置いても、星薬のそうした環境で得た知見が病院薬剤師という現在の道を決めるうえで後押しとなりました。
また、大学生活では、学園祭実行委員やスキー・スノーボード部、オープンキャンパススタッフとしても活動しました。特にオープンキャンパススタッフとして、キャンパスツアーの案内や、高校生・保護者の方からの質問対応を担当する中で、星薬での学びや学生生活について説明する際、専門的な内容をそのまま伝えるのではなく、相手の立場に合わせて言葉を選ぶ必要があることを実感しました。「相手に合わせて分かりやすく伝えること」「理解度や状況に応じた説明の工夫」、こうした経験の一つひとつが、現在の仕事における患者さんへの向き合い方にもつながっています。

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社会で咲いたイチバン星

集中治療部での病棟業務と、
病院実習からつながった進路選択。

現在は、横浜市立大学附属市民総合医療センターの集中治療部で病棟薬剤師として勤務しています。集中治療部には、心血管系の大きな手術を受けた患者さんや、敗血症、院内で急変した患者さんなど、全身状態が不安定な方が多く入院しています。業務内容としては、鎮静薬の投与量や速度の評価、挿管中で経口投与ができない患者さんに対して経管投与の可否の確認、腎機能低下や透析中の患者さんに対する用量調整などを行っています。
毎朝の多職種カンファレンスでは、医師・看護師・薬剤師・臨床工学技士・栄養士などが参加し、循環・呼吸・腎機能などの情報を共有しながら、治療方針を決定します。薬剤師として、薬物療法の側面から情報提供や提案を行う場面もあり、チーム医療の一員として日々業務に取り組んでいます。医師からは「この抗菌薬の量を調整したい」、病棟看護師からは「この薬同士を同じルートで投与しても問題ないか」といった相談を受けることも多く、処方の意図や患者さんの状態を理解したうえで、必要な情報を簡潔に伝えるよう心がけています。
集中治療部では、挿管や鎮静中の患者さんが多いため、入院直後は会話ができないことも少なくありませんが、状態が落ち着き、一般病棟へ転棟される前に服薬指導を行うことができます。新たに開始された薬や、今後も継続していく薬について、目的や服用方法、注意点などを説明します。急な入院で短期間に薬が増え、不安を抱えている患者さんもいらっしゃいます。そのため、「なぜこの薬が必要なのか」「どんな症状が出たら医師や看護師に伝えてほしいか」を、分かりやすくご説明し、理解していただけるよう努めています。「分かりやすかったです」「ありがとうございます」と声をかけていただけることがあります。そうした反応に触れるたび、患者さんの安心につながることはもちろん、私自身にとっても、薬剤師として治療や生活に深く関わることができていると実感する瞬間です。
病院薬剤師を志望する決め手になったのは、5年次の病院実務実習でした。当時から集中治療に関わる分野に関心があり、実習では、現職の関連病院の集中治療部を希望しました。実習中は、指導薬剤師の先生が病棟でどのように存在感を発揮しているかを間近で見ることができました。看護師への点滴調整の助言や、医師との投与量に関する相談といった、多職種と連携する姿を目の当たりにし、「こうした形で薬剤師として医療に関わりたい」という強い思いから、現在の病院を就職先として選びました。
一方で、在学中に出会った親しい友人たちの進路はさまざまで、私のように病院薬剤師だけでなく、ドラッグストアやクリニックの門前薬局など、それぞれ異なる環境で薬剤師として活躍しています。友人たちの話を聞くと、扱う薬や患者さんとの関わり方も異なり、改めて薬剤師という仕事の幅広さを感じます。薬学部をめざす皆さんには、「薬剤師になる」ということをゴールにするのではなく、「どのような場で、どのように医療に関わりたいか」という視点でも進路を考えてみてほしいと思います。星薬での学びや人とのつながりを通して、自分に合った進路を考えるきっかけにしてもらえると嬉しく思います。

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