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研究で培ったデータに向き合う力を武器に、新薬が患者さんに届くまでの道筋を支える。

茨城県立茨城高等学校出身
創薬科学科2017年度卒業/総合薬科学専攻修士課程2019年度修了
【CRA_臨床開発モニター】田口 沙良さん
勤務先:パレクセル・インターナショナル株式会社
(2026年2月取材当時)
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入学時の将来像

化学実験への興味から、
薬を「仕組みから理解できる側」へ。

もともと理科が好きで、特に化学実験に面白さを感じていました。体の働きも分子レベルの反応で成り立っていると知ったとき、「薬はどのような仕組みで効果を発揮しているのだろう」と興味が湧き、薬を“使う側”ではなく“仕組みから理解できる側”になりたいと考えるようになりました。
高校で進路を考える際、星薬科大学への進学を意識するようになったのは、創薬科学科のカリキュラムを調べる中で、医療系の単科大学として薬学領域に特化している点に魅力を感じたからです。また、講義と並行して実験の時間も十分に設けられていることを知り、机上の理解から一歩踏み出し、自分の手を動かして確かめながら学べる環境で専門性を高めたいと思い、星薬科大学への進学を決めました。

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学生時代に得た経験

単科大学ならではの深い学びの時間で、
「根拠をもって判断する姿勢」が身についた。

星薬での学生生活を振り返って、最も成長したと感じているのは、「根拠をもって判断する姿勢」が身についたことです。
入学当初は、薬の仕組みを理解したいという純粋な興味が中心でしたが、実際に研究を進めていくと、思い通りに結果が出ることは少なく、仮説が否定されることも多くありました。実験では、少しの条件差が結果に大きく影響します。「なぜこの結果になったのか」「どの操作が影響したのか」を一つひとつ検証する中で、感覚ではなくデータに基づいて考える習慣が養われました。再現性を出すために地道な作業を繰り返す経験を通して、正確さを積み重ねていくことの重要性を深く実感しています。
所属していた薬剤系の研究室では、薬の成分そのものだけでなく、患者さんがより飲みやすく、負担が少ない製剤設計に取り組んでいました。研究を進める中で、薬は“分子”であると同時に、“患者さんが実際に使うもの”であるという視点を持つようになったことは、研究室での大きな財産です。 加えて、単科大学であることも、学びを深める大きな後押しとなりました。周囲も同じ分野を学ぶ仲間ばかりで、専門性の高い議論が日常的に交わされる環境です。テスト前は薬学の話題で自然と盛り上がり、それ以外のときはみんなで食事に出かけたり、休日に遊んだり。「学問の話題で日常会話が弾む」というのは、他大学ではなかなか見られない光景かもしれません。
部活動では硬式テニス部に所属していました。研究や学業の合間の良い息抜きになり、今も交流が続く仲間ができました。テニス部にはOB・OG会があり、医療業界の第一線で活躍されている方々のお話を伺える機会もありました。マナーや作法を意識しなければならない多少の緊張感はありましたが、普段ならなかなか聞けないようなお話を直接伺えるのは、歴史ある部活ならではの貴重な経験です。社会人になってから、部活動を通して身につけた立ち居振る舞いが活かされいると実感しています。星薬での出会いや学び、事実やデータに基づいて判断する姿勢は、社会に出た今も私を支えてくれています。

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社会で咲いたイチバン星

治験の品質を支え、
患者さんに新薬を1日でも早く届けるために。

現在はCRO(医薬品開発業務受託機関)でCRA(臨床開発モニター)として、グローバル治験に携わっています。医療機関で実施される治験が適切に行われているかを確認し、症例データの整合性確認や手順遵守状況のチェック、医師やCRC(治験コーディネーター)との打ち合わせなどを行いながら、治験の品質と信頼性を支える仕事です。
新薬の候補が治験で安全に使われているか、データに問題がないかを一つひとつ確認し、承認に至るまでを見届けるのが私の役割です。医療機関を訪問してデータの整合性や被験者の安全性を検証する中で、担当の先生から「この薬、本当に効いていたよ」と言っていただけたときは、良い薬が確かに患者さんへと届く、その一端を担えていることに大きなやりがいを感じます。新薬を待ち望んでいる患者さんに、1日でも早く薬を届けたい。データの品質を担保しつつスピード感を持って進めることが、私たちCRAの大切な役割だと考えています。

研究室で培った『確かめる姿勢』が、
治験の信頼性を守る土台になっている。

私自身、入学当初は「治験」という仕事の存在を知りませんでした。転機となったのは研究室での研究活動や先輩との進路の話を通じて臨床開発という仕事を知ったことです。新薬が生み出され、実用化に至るまでの道筋に携わりたいと考えるようになりました。薬づくりの基礎を学んだ経験を活かし、現在はその薬が正しく評価され、より多くの患者さんに届けられるプロセスに責任を持って関わっています。
CRAは必ずしも薬学の知識がないとなれない仕事ではありませんが、医療機関や医療業界の仕組みを理解し、担当する試験の疾患領域や、血液学的検査等で異常値が認められた場合の臨床的意義など、基本的な医学的知識を持つことは必須です。大学から薬学の基礎を学んでいたため、効率よく勉強を進めることができました。医師や医療機関の方々とディスカッションする機会も多く、治験薬だけでなく既存の治療薬の作用機序や安全性などについても常に学び続ける必要があります。学んだことを先生方にお伝えし、ディスカッションができるようになると喜んでいただけることもあり、そうしたやりとりが信頼関係につながっていくと感じています。
研究を通じて身についた、データに基づいて考える習慣や、細かな変化を見逃さない視点は、治験の品質を守るうえで欠かせない基礎力になっています。データの整合性確認、手順逸脱の評価、安全性情報の確認── 一見地道な作業ですが、その一つひとつが、治験の信頼性や患者さんの安全につながっています。学生時代に培った「丁寧に確認する姿勢」や「事実に基づいて判断する力」は、今の仕事の土台になっていると実感しています。
星薬での学びは、想像している以上にさまざまな分野へとつながっています。私自身、薬学の知識がどのような形で現在の仕事や社会につながるのかは、卒業してから初めて見えた部分もあります。研究室や部活動での出会いを通じて選択肢が広がり、自分に合った道を見つけることができたのは、星薬の単科大学ならではの距離の近さによるものだと感じています。星薬で過ごした時間は、卒業後にふと意味を持つこともあるのではないかと思います。だからこそ、これから星薬を目指す方にも、今まさに学んでいる方にも、興味を持ったことや出会った分野を大切にしながら、自分の可能性を限定せずに進んでいってほしいと思います。

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