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研究
2020.08.13

築地 信 准教授(微生物学研究室)が共同研究の成果を「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」に発表しました

微生物学研究室の築地 信 准教授は、名古屋市立大学大学院医学研究科免疫学分野との共同研究により、「紫外線で誘導された制御性T細胞による新たな機能」を発見し、その研究成果を米国雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」(2020年8月7日掲載)に発表しました。

研究成果の概要
「紫外線で誘導された制御性T細胞による新たな機能を発見しました。この成果は、免疫のブレーキ役である制御性T細胞を利用した新たな治療法に繋がることが期待されます。」

紫外線は、アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚免疫疾患に対して免疫制御効果が知られており、光線療法に用いられています。これまでに、紫外線を照射された皮膚に、通常時の約3〜5倍の制御性T細胞が増加することが明らかになっていました。制御性T細胞は、免疫応答のブレーキ役として、過剰反応を抑え正常に保つために働く細胞です。

今回、それらの制御性T細胞が、皮膚の創傷の治癒を促進し、恒常性を維持することが分かりました。それらの特徴として、内因性オピオイドの前駆体であるプロエンケファリンや、表皮細胞増殖因子アンフィレグリンを発現していました。さらに、抗原認識に関わる抗原受容体(TCRα/β)のレパトア(多様性)を調べたところ、特定のTCRα/βを持つ制御性T細胞が増加していることが分かりました。この研究成果は、紫外線により皮膚に増えた制御性T細胞を利用した新たな治療法の開発に繋がるものと期待されます。

プレスリリース

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