EDUCATION

HAL(Hoshi Active Learning)

 

HAL(Hoshi Active Learning)がオープンしました

2025年度、星薬科大学に新たに誕生したアクティブラーニング対応教室「HAL(Hoshi Active Learning)」。これまで行われてきたアクティブラーニング型の学習を、より学生同士が対話を通じて学びを深められるように設計されたこの教室は、従来の講義室とはまったく異なるスタイルで、学びの風景を変えつつあります。今回は、このHALの企画・設計に携わった職員に話を聞き、教室に込めた想いやこだわりを取材しました。さらに、実際にHALを授業で活用している教員にもインタビューを行い、現場で見えてきた変化や学生の成長についてもうかがいました。

「教室が変わると、学びはどう変わるのか?」
そんな問いに触れながら、HALの魅力をお伝えします。

“アクティブラーニング”と“CBT運用”の両立を目指して

HAL(Hoshi Active Learning room)は、「学生が主体的に学び、対話し、考えを深められる場をつくりたい」という思いから生まれました。今までよりも学生同士が対話しながら学ぶためには、机やイスの配置、モニターの位置、発表方法までも含めた、空間全体の柔軟性が求められます。

一方で、この部屋はもともと CBT(Computer-Based Testing) を実施する重要な拠点でした。“試験の安定運用” を保証する機能性も決して手放せない要素でした。

このふたつを同時に満たす空間は、一見すると矛盾するようにも思えます。だからこそ私たちは、「教室そのものが、用途に合わせて形を変えること」を設計の根幹に据えました。

多彩な学びとイベントを包み込む「変幻自在」の教室へ

“形を変えられる”という発想が核になったとき、教室の未来像は一気に広がりました。グループディスカッション(GD)では島型レイアウトで活発な議論を。座学の講義や研修では整然と前を向く一方向配置で集中を。ゼミや打ち合わせ、コの字やロの字に組み替え、双方向のやり取りを。さらにはポスター発表や説明会など、立ち歩きを前提としたイベント会場にも――。

HALでは、こうした多様な利用シーンを違和感なく行き来できるような空間を創造するための設備・機能を整備しました。その結果として、アクティブラーニングをより効率的に行うことができるようになりました。

設備・機能 ねらい / 効果
キャスター付きの椅子・机 島型・円卓・一方向などレイアウトを数分で切替え。講義途中の模様替えも容易。
電子黒板(映写機能付き)&
150インチプロジェクター
GDではBYOD端末の画面共有、電子黒板間での画面共有ができる他、イベントでは展示パネルとして活躍。
ワイヤレスプレゼンテーションシステム ケーブルレスでPCやタブレットから即投影。席に座ったまま発表でき、進行が途切れない。
AV操作タブレット端末 照明・音響・映像を直感的に一括制御。機器操作のストレスを最小化。
安定したネットワーク環境&全席給電 200台のネットワーク同時接続でも安定した通信品質を確保。全台給電設備完備。CBTやプログラミング実習を安心して実施。
サテライト教室双方向連携システム シームレスに接続したAVシステムを活用し、2教室を一体化して大人数の講義・実習を実現。
20以上のチームが、同時に議論、発表する。HALが生み出すダイナミックな学びの場

「学生が主体的に学び、対話し、考えを深められる場をつくりたい」――その思いから生まれた HAL が、最も力を発揮するのが、大規模アクティブラーニングのシーンです。

HAL では、隣り合う2教室のAVシステムをシームレスに連携させることで、学年の半数が一度に参加するような大規模な演習にも対応できます。レイアウトを島型に組み替えれば、20班以上のグループが同時にディスカッションを展開し、全体講義からグループワーク、さらに発表・共有へと、講義の流れをスムーズに繋げることができます。

各班の席近くには電子黒板が配置されており、学生は自身の端末から資料やスライドをワイヤレスで投影可能。さらに、必要に応じてその表示内容を教室全体に共有できる仕組みも整っており、自席からそのまま発表に移ることができます。

ケーブルの抜き差しや席の移動といった煩わしさもなく、その場で考えを可視化しながら、対話と気づきを深めていけるのが大きな特長です。

固定された机はひとつもなく、キャスター付きのテーブルと椅子により、個人学習・グループワーク・プレゼンテーションなど、多様な学習形態に即座に対応可能。場面に応じてスムーズに空間を切り替えられることで、学生たちの集中力や発言の質にも良い影響が生まれています。

教員は教室全体を見渡しながら、必要なタイミングで要点をまとめたり、問いかけで深掘りを促したりと、ファシリテーターとして最小限の関わりに徹することもできます。学生主体の議論を尊重しながら、学びを一段上へ引き上げるサポート役に回れるのです。

こうした新しい学びの場が本当に機能するのか、運用前には不安もありました。けれど実際に講義が始まると、学生たちの活気あるやりとりと生き生きとした表情が、すべてを物語ってくれました。「ああ、この教室は間違っていなかった」と、私たちは確信を得ることができたのです。

 

実際の授業で見えたHALの可能性

たとえば薬学科4年生の「事前学習1(薬物治療演習)」では、1班5~6人で提示された症例について状態を把握し適切な治療法を考え、議論した内容をまとめてプレゼンを行うという授業を行っています。以前は通常の講義室で行っていたため、どうしてもグループワークや発表の仕方に限界がありました。HALに移ったことで、各班が大型モニターを使用しながら議論ができ、発表の際にはすべての大型モニターに情報を共有できるなど、グループワークによる学習効率が上がり、その効果も高くなりました。空間の力が、学び方そのものを変えていく——それを目の当たりにしています。

教員の声:「知識のインプットからアウトプットへ。そんな学び方が見えました。」

「この教室では、学生がグループでの話し合いの中で知識を出し合ったり、新しい視点に気づいたりする姿が自然と生まれます。普段の講義では知識のインプットが多くなりますが、グループワークではアウトプットする力を養うことができます。HALという設備の整ったグループワークを行いやすい環境により学生の学習効果が高まったように感じています。」
—— 薬物治療学研究室 教授 池田 弘子先生

HALが引き出す、“探究”という新しい学びのかたち

HALは、単に最新の設備をそろえた教室というだけではありません。この空間には、「学生一人ひとりが考え、対話し、気づきを得る。その積み重ねが、真の学びにつながっていく」という、本学の教育に対する思いが込められています。教室の設計を通して、学び方が変わり、講義の風景が変わり、学生の姿勢が変わっていく——HALは、そんな“変化の起点”として、日々多くの学生と教職員のチャレンジを支えています。

この空間から、未来の薬学を担う人材が育っていくことを、私たちは楽しみにしています。

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