LABORATORIES

基礎薬学教育研究部門

部門紹介

1~2年生の基礎学力を定着させることを目的とした部門です。6年間ストレートで大学を卒業し国家試験にも合格するには、低学年次から基礎固めを徹底することが必須です。私たちは、授業や進級に不安がある学生に寄り添い、一人ひとりに最適な学習方法を提案します。

研究室紹介(分子生物学研究室:千葉 義彦 教授)

アレルギーでなぜ過敏になるのか?

アレルギーでなぜ過敏になるのか?

 近年のアレルギー研究は、おもに免疫系の細胞を中心とした発症機序解明に力が注がれ、成果をあげてきています。しかしながら、実際のアレルギー患者の多くは「今ある症状」に苛まれており、この症状を急速かつ永続的に緩解させるような薬物・治療法の確立が望まれています。多くのアレルギー疾患で問題となるのが標的臓器・組織の過敏性であり、例えば気管支喘息の根底には気道過敏性が存在し、わずかな刺激でも気道が過剰に収縮し、喘息死の原因となります。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎においても鼻粘膜や皮膚の過敏性が根底に存在しており、わずかな刺激でも激しい症状が惹起され、患者のQOLを著しく低下させてしまいます。

 これらの点に着目し、「アレルギー標的臓器・細胞に焦点を当ててその質的変化について新たな発症メカニズム解明を行い、これまでにない新規アレルギー治療薬の開発をめざす」をコンセプトに研究を行っています。

1.アレルギーの症状がなぜ発現するのか?

気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)

2. アレルギーは遺伝するのか?

研究室紹介(行動可塑性制御研究室:森 友久 教授)

止められない… この制御不能を科学する。

止められない… この制御不能を科学する。

神経細胞内では、多くのタンパク質がぶつかり合いながら情報を伝達し、恒常性を維持している。一方、病態の形成時には、刺激に伴い、可塑的変化を起こし、制御が効かなくなったときに際には神経細胞死が引き起こされる。こうした制御不能と考えられてきた病態あるいは疾患について、個体および細胞の側面から科学していきます。

薬物依存
快感と離脱による苦しみにより心と体の自由を奪う依存症のメカニズムを、個体における欲求あるいは細胞内変容の視点から解き明かしています。

神経変性疾患
何らかの原因により神経細胞の機能が徐々に失われていくメカニズムをタンパク質レベルで生化学的に解明していきます。

治療抵抗性精神疾患
解っているようで解っていない精神疾患、特に、治療抵抗性精神疾患に焦点をあて、創薬の種を見つけていきます。

研究室紹介(運動科学研究室:竹ノ谷 文子 准教授)

近年、運動をすることが身体に良いとされるエビデンスが、生理学をはじめ、生化学、組織学など様々な解析法により報告されております。
運動科学研究室は、運動と「+α」による効率的な運動療法を確立することにより、新規の統合医療の一つとして提案することを目指しております。その運動に併用するプラスαには、「生理活性ペプチド」、「アロマセラピー」さらに「サプリメント」などをソースとし、以下の3つのテーマを掲げて研究を行っております。

1.運動と生理活性ペプチドの点鼻投与による機能形態解析

肥満解消の為の新規運動療法の構築を目指し、運動と摂食関連ペプチドの一つである抗肥満作用を持つガラニン様ペプチド(Galanin-Like Peptide:GALP)の点鼻投与を併用させ、その効果を、マウスを用いて分子レベルで検証しています。また、認知症の予防および改善を目指し、神経軸索の伸長に関与する下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide:PACAP)と運動を併用し、海馬におけるニューロンの神経再生を組織学的解析や行動解析からその作用を検証しています。

2.メディカルアロマセラピーの確立に向けた分子レベルでのエビデンス構築

アロマセラピーに使用される精油は、抗ストレス作用をはじめとし、抗菌、抗うつ、痛み緩和など、様々な薬理作用を持つことが明らかとなっており、近年、医療現場では、「メディカルアロマセラピー」として導入されています。しかし、その効果の科学的検証が少ないのが現状です。そこで本研究室では、精油の様々な効果を培養細胞、動物、およびヒトで検証し、メディカルアロマセラピーの確立に向けたビデンスの構築を目指しています。

3.運動とアロマセラピーの併用による健康促進作用の分子基盤

近年、スポーツの現場では、精油を用いたスポーツトリートメントや芳香療法が行われ、競技における心身の疲労回復やパフォーマンス向上を期待した「スポーツアロマ」が注目されています。そこで我々は、ヒトと動物にて、運動疲労後の芳香浴の効果を、各種ホルモン分泌から検証しています。また、マウス筋芽細胞株を用いた「in vitro Exerciseモデル」を使用し、精油添加による健康促進作用をマイオカイン分泌や遺伝子発現の変化をDNAアレイ解析から検討することで、精油トリートメントの効果を生化学的手法で解析しています。

 

【運動科学研究室ホームページ】

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