EDUCATION

星薬生の留学体験レポート2024  RCSI University of Medicine and Health Sciences

星薬科大学 2024年度留学生 S.K.さん

はじめに(参加動機や目的など)

国際機関への就職や海外大学院進学に興味があったことや、欧州の文化や社会に触れながら学べる点に大きな意義を感じ、本プログラムへの参加を希望しました。また、RCSIの学生と共に講義に参加し、普段の学びに対する姿勢や考え方を直接感じ取り、自身の成長に繋げられるという点も魅力的だと感じました。
このプログラムを通じて得た経験を基に、語学力に限らず、自分が補強すべきスキルや課題を改めて認識し、将来、国際的なキャリアを築くための糧にしたいと考えました。

授業内容

RCSI MPharm 3年次のEndocrine module に参加し、内分泌系に関する4テーマ((1)内分泌系と甲状腺疾患、(2)1型糖尿病、(3)2型糖尿病、(4)副腎疾患と健康促進)を物理や化学、病態・薬物治療などの様々な側面から学びました。座学が中心ですが、調剤実習や化学系実習などのグループワークも組み込まれています。
基本的に講義は一コマにつき60分以内となっており、様々な教授が担当します。アプリやツールを使用して問題に回答したり、教授が学生に質問を投げかけたりするなど、インタラクティブな講義が展開されることもありました。また、担当の教授によっては早口だったり、訛りがあったり(私はフレンチアクセントに苦戦しました)、聞き取りにくい場合もありますが、週末に授業の録画映像が配信されるため、後から何度も視聴することが可能です。 私は講義スライドを参照しつつ、不明な点は友人に聞いたりして復習しました。講義後には積極的に教授へ質問する学生も多く見受けられました。

ワークショップでは、グループのメンバーと話し合いながら複数の症例に関する課題に回答していく形式でした。疾患や治療薬の検討に加え、患者背景なども踏まえた最適な治療法(外科治療も含む)の選択や複数の疾患を有するケースへの対応など、課題は高度かつバリエーションに富んだ内容となっていました。最終回では、症例報告を要約して発表するタスクに取り組みました。

化学系実習では、アスパルテームの合成やゲル電気泳動、吸光度計を用いた血糖値推定などの実験を行いました。また、モジュール内で1つのテーマ(例:1型糖尿病など)が完了すると、リアルな症例をもとに調剤実習を行います(Patient centered care lab)。この授業では毎回、実際の医薬品を扱い、薬袋の作成はもちろん模擬患者へのカウンセリングや、必要に応じて医師への問い合わせも行います。このように、インプットした知識をすぐにアウトプットするというスタイルは1年次から実施され、実務現場などにも応用しやすくなっています。卒業後に現場ですぐに活躍することを期待されていることが伺え、薬学のスペシャリストとして薬剤師が担う役割の大きさを感じました。

病院訪問の際には、各グループで担当患者1名の情報を収集した後、本人に面会し治療の経過などについて話していただきました。容赦のないアクセントとネイティブ独特の言い回しを聞き取ることはかなりハードルが高く、語学力不足を痛感しました。

講師の発話速度についていけなくても、配布された講義スライドを通して内容を理解することはできます。事前の取り組みとして、基本的な薬学系英単語を暗記しておくと留学時に役立つと思います。因みにRCSIでは学生一人一人にMacBookが配布されるらしく、ほぼ全ての学生がパソコンで資料にメモを記入しつつ講義を受けていました(iPadを活用している学生もいました)。モバイルバッテリーや充電器があると便利です。

現地生活・オフの過ごし方

食生活

普段はスーパーで購入した食材(バナナなどの果物や冷凍野菜、シリアル、調理済み食品など)や日本から持参したご飯パックを食べていました。講義がある日は現地の友人たちと、構内のカフェテリアや学外のカフェ、レストランで昼食をとることがほとんどでした。また、休日にも友人とパブに行ったり、滞在先のホストが作ってくれた料理を頂く機会が多かったので、アイルランド料理に限らず、世界中の料理を楽しむことができました。
節約のため、インスタントの味噌汁や白米パックは多めに持っていきました。現地で友人にプレゼントしても喜ばれるので、日本からいくらか食料を持参されることをお勧めします。アジア料理の中でも日本料理は人気が高く、ほぼ全てのスーパーでお寿司が販売されていました。

滞在先

AirBnbを利用し、Dublin6にある住宅街の一軒家に滞在していました。キッチンやバスルームはホストらとの共有で、ほとんどホームステイ同様の感覚でした。近くにはバス停が2か所ほどあり、コンビニやスーパー、ショッピングセンター、大学も徒歩圏内なので非常に便利でした。バスでの通学は15分程度、徒歩では30分程度かかりました。ホストは非常にフレンドリーで、毎週自宅に知人を招いては食事会を開いていました。私を家族のように扱ってくれ、かなり手厚くサポートしてくれました。

滞在先を決定する際には、サイトで口コミを確認したり、ホストとのビデオ通話やチャットを通してステイ先の様子(洗濯機・乾燥機の利用可能時間帯や頻度、門限やその他ルールなど)を知っておくと安心できます。また、知りたいことなどは遠慮せずホストに質問するのが良いと思います。

気候

天気が変わりやすく、繰り返し雨が降ったり止んだりすることもあります。滞在中は過ごしやすい日が多く、ひどい雨風に見舞われることはほとんどありませんでした(1日を除いて)。ダブリンの10月中旬は平均気温が10度台前半から後半でしたので、20度近い日が続いていた東京とはかなりギャップがありました。11月後半になると朝や夜はぐっと冷え込み、霜が降りていたり、吐く息が白く見える日もありました。
渡航される方は、東京の12月くらいの服装を想定されると丁度良いのではないかと思います。私は常にヒートテックを重ね着しており、裏起毛のズボンや厚手のソックスは重宝しました。洗濯は数日おきになることを前提として、インナーは多めに持参されることをお勧めします。小雨程度ならフードや帽子で対策できるので、折り畳み傘は一本あれば十分でした。フード付きウインドブレーカーなど防水生地の上着があると役立ちます。また、冷え性の方や貼るカイロ愛用者の方は、いくつかカイロを持参されると良いかもしれません。(市内のお店でもほとんどカイロは目にしませんでした。)

治安

滞在先も大学周辺も非常に治安が良く、公共交通機関も安心して利用できました。サマータイム終了に伴い日は短くなりますが、外が暗い時間帯(5,6時台や21時台など)でも、住宅街周辺で犬の散歩や、ランニングを楽しんでいる人は多くいました。シティセンター周辺では、多くの人が飲食店やパブ周辺に集うので、夜も人通りが多い印象です。
一方でシティセンターの北側は少々雑多な雰囲気なので、夜遅くに一人では出歩かないようにしていました。また、市内には悪戯好きなティーンエイジャーもいるようなので、見かけた際には距離を置くのが無難です。

休日の過ごし方

予定がない日はレポートなどに取り組みつつ、近所の散歩も兼ねてランニングをしたり、博物館や書店を巡っていました。書籍セールを実施中の店舗や、外国語学習に特化した専門店があり、本のラインナップも充実していました。国立美術館や博物館は無料で入場でき、モネやルノワールの作品に加え、ミイラなどの興味深い展示を見学できました。
また、友人たちと観光地やパブを訪れたり、ホストファミリーとの食事を楽しんだりしました。様々な年代や国籍の人との交流を通して幅広い価値観に触れ、刺激を得ることができました。

その他

観光したい場所がある場合は、週末や休日を有効活用できるように、早めに準備しておくと良いかもしれません。配車アプリや航空券検索アプリをダウンロードしておくと便利です。また、ほとんどの場所で現金は使用可能ですが、カードしか利用できない場面もあるため、デビットカードやクレジットカードを用意しておくと安心です。

参加して良かったと思うこと・学んだこと・成長したと思うこと

本プログラム参加前は、渡航先でアジア人差別を受けるのではないかなどと不安を抱えていましたが、滞在期間中にそうしたことは一度もありませんでした。コントロールできないことを過度に恐れず、必要に応じて毅然と対応することが重要だと学びました。

様々な背景を持つ人との交流を通して多様な視点に触れると共に、薬学教育に限らず生活面などにおいても日本との相違点を体感し、視野が広がりました。

また、単独で行動する機会も多かったため、思い切って挑戦するということへのハードルが下がったと感じています。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

英語で進行するグループワークや調剤実習を通して、自らの語学力や実務スキルにおける課題を再認識しました。同時に、国籍や文化の違いを超え、学問に真摯に取り組む学生達の姿に刺激を受け、私自身も薬学の専門知識を深める必要性を強く感じました。

今回の留学経験を基に、語学力・薬学の知識を向上させると共に、各国の文化的側面も含む広範なトピックへの理解を深めながら、課題解決能力を培いたいと考えています。こうした学びを活かし、国際的な場で医療分野に貢献できる人材を目指したいと思います。

最後に

少しでも本プログラムへの参加を検討されている場合、ぜひ申請されることをおすすめします。私自身、初めは不安でいっぱいでしたが、現地での体験を通じて新しい視点や多くの学びを得ることができました。アイルランドにはフレンドリーな人がたくさんいるので、学生たちともすぐに打ち解けられると思います。

最後に、Professor Shane Cullinan をはじめとするRCSIの先生方、本プログラムで多大なるご支援を賜りました、星薬科大学の先生方・国際学術交流担当の阿美様に厚く御礼申し上げます。

 

To Fionn and her family, I would like to express my heartfelt gratitude for your gracious hospitality and kindness, which greatly enriched my experience in Ireland and made my stay truly memorable.

星薬科大学 2024年度留学生 K.W.さん

はじめに(参加動機や目的など)

入学当初から海外研修があることは知っていました。海外の薬学部に留学できるのは今後二度とない機会だと思い、絶対に行こうと思っていました。RCSIでの海外研修は学生でのディスカッションの機会が多いという特徴があり、人と意見交換したりコミュニケーションをとるのが好きなので、RCSIへの留学を志望しました。

授業内容

The Endocrine Health moduleという、内分泌系疾患に関する講義や実習に6週間参加しました。講義は4テーマに分割されていました。疾患に関する講義を受け、その講義内容に関係する模擬処方箋の調剤の実習や、症例検討のワークショップ、化学実習などを行うというサイクルを4回実施しました。
現地の3年生の授業に参加したため、講義内容は日本で既に学習しているものが多かったですが、かなり高度な内容も含まれていたため、ついて行くのに必死な講義もありました。
「内分泌系疾患」のモジュールと聞いて、糖尿病や甲状腺疾患の病態、それに関連する治療薬などの講義だと思っていましたが、実際はそれだけではなく、有機化学や物理化学、生化学、ヘルスケアなどについても総合的に触れました。星薬では、それぞれ別の科目として学習するので、新鮮でした。
星薬での講義は90分ですが、RCSIでの講義は全て60分でした。最後まで集中して受け続けることができたので、私には合っていました。
また、病院へ訪問する機会もありました。病院訪問では、グループに分かれ、グループごとに患者さんのカルテが割り当てられました。そのカルテから患者さんの状態を読み取り、必要な薬学的なアプローチやフォローを話し合いました。最後に、実際に患者の病室を訪問し、患者への質問をしました。かなり実践的なことを3年生からやっており、学生も卒なくこなすので、とてもレベルが高いと感じました。

 

現地生活・オフの過ごし方

食生活

大学がシティーセンターと呼ばれるダブリンの中心地に位置していたため、周辺には魅力的なカフェやレストランがたくさんありました。現地の友達が美味しいお店をたくさん知っていて、お昼はほぼ毎日違うお店に連れて行ってくれました。
アイルランドの料理はシチューのような煮込みやフィッシュ&チップスが有名ですが、意外とアジア料理のお店もたくさんありました。他の比べて安く食べられるので、アジア料理店にいくことが多かったです。一人前の量が日本に比べてかなり多いため、二人でシェアしたり余った分を持ち帰って夜ご飯にしたりしていました。また、大学内にも学食があり、安くご飯を食べることができたので、外に食べにいく時間がないときはそこで軽く済ませていました。
ダブリンは外食がとても高いので、夜は基本的には自炊をしていました。スーパーの食材の値段は日本とあまり変わらないかと思います。

滞在先

Dublin 6にあるAirbnbに滞在しました。大学から南の方に徒歩で30分、バスで15分の距離に位置していました。晴れて気持ちがいい日は歩いて大学まで行き、雨の日や寒い日はバスを使って通っていました。
ダブリンの主要な交通手段はバスかLuas(路面電車)で、私が滞在したAirbnbの近くにはバス停があり、約5分に1本のペースでバスが来ていたので、とても便利でした。

気候

ダブリンは寒くて雨が多く、鬱になるような天気だと聞いており、だいぶ覚悟していましたが、実際は晴れる日も多く、毎日雨が降るわけではなかったです。日本から傘を持っていきましたが、あまり使わずに過ごせました。

気温は、現地についた10月中旬は平均12℃ぐらいで過ごしやすい天気でしたが、帰る直前のは平均5℃前後で雨も降るので、とても寒かったです。

治安

アイルランドは比較的治安の良い国ですが、異国の地であることは間違い無いので、基本的な防犯対策はしました。チャックのあるかばんを持ち歩くようにしたり、バスに乗っている時は寝ないようにしたり、貴重品にはAir tagをつけたりしました。滞在中危険を感じることは特にありませんでした。

休日の過ごし方

ダブリン城や聖パトリック大聖堂、クライストチャーチ、トリニティーカレッジなどのダブリンの観光地を訪れたり、友達とギネスビールを飲んだりしました。少し遠出をして北アイルランドのベルファストに訪れたりもしました。

その他

ハロウィンの時期は、多くの家で派手にデコレーションしていました。ハロウィンが終わると、すぐにクリスマス仕様になり、町中がキラキラしていました。日本に比べてハロウィンやクリスマスに力を入れていて、外を歩くだけとても楽しかったです。

参加して良かったと思うこと・学んだこと・成長したと思うこと

RCSIは留学生が多い大学なので、様々な国籍の学生がいました。友達も皆出身が違ったため、それぞれの国の文化や言語について教え合うのがとても楽しかったです。また、彼らは私たちにとても親切で、常に助けてくれました。RCSIはちょうど試験前の時期だったので勉強で忙しい中でも、時間がある時は私たちを色々なところに連れていってくれました。国を跨いで「薬剤師」という同じ目標を持つ友達ができたのが一生の宝物になり、参加して良かったなと心から思いました。

アイルランドと日本の薬剤師の立場の違いを肌で感じました。日本では調剤業務をメインとしていますが、アイルランドでは、薬剤師は医薬品提供だけでなくプライマリーヘルスケアの担い手でもあるため、日本よりも患者と密接に関わるという違いがあります。そのため、カリキュラムには、症例に対して薬剤師がどのようなアドバイスをできるかについて話し合うワークショップや、服薬指導時の患者とのコミュニケーションの場を想定した実習多く組まれており、日本とは違った薬剤師の役割について実習を通して学びました。

今回の海外研修では、学生の積極性や勉強意欲にとても驚かされました。学生皆が積極的に発言や質問をしていました。私は最初は自分から質問することが怖くてなかなかできませんでしたが、私もまわりの学生のように積極的に学びたいと思い、わからないことは先生や友達に質問しにいくようにしました。日本の講義ではあまり質問にいく方ではなかったので、大きな成長になりました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

実習やワークショップを通して、薬剤師の立場から患者にどのように関わっていけるかを学んだ経験を活かし、日本の臨床現場で働く際には、ただ調剤作業だけをするのではなく、薬学の専門家として患者にアドバイスをするなどして積極的に関わっていけるような薬剤師になりたいと思いました。

また、私が仲良くなった友達に、クエート出身の子がいました。彼女は母国語がアラビア語であるのにもかかわらず、自ら英語を学んでRCSIに入学し、毎日夜まで大学に残って勉強していました。私はそれを知って、とても驚いたとともに、自分が「どうせできない」と決めつけて色々なことに挑戦していなかったことに気がつきました。これからは、自分で限界を決めずに、やりたいと思ったことに積極的に挑戦していきたいと思いました。

最後に

海外研修は、新しい環境で挑戦し成長する貴重な機会です。不安もあるかもしれませんが、一歩踏み出す勇気が大切です。迷ったら絶対にいくべきです!!!

現地で得られる経験や出会いは、未来を広げてくれると思います。ぜひ積極的に挑戦してください!

海外研修の準備段階で、多大なサポートをしてくださった星薬科大学の阿美先生をはじめとする先生方、そしてRCSIで親切に指導いただいたShane Cullinan先生に心から感謝申し上げます。

皆様の助けがなければ、この貴重な経験は実現しませんでした。本当にありがとうございました。

星薬科大学 2024年度留学生 M.H.さん

はじめに(参加動機や目的など)

 まずは大学生のうちに様々な経験をしたいと考えたためです。大学独自の留学制度があり、応募当時も今も研究室での研究活動に熱心に取り組んでいたため、研究に関することは何でも挑戦してみたいと思いました。また、漠然とですが留学というものに興味があり、薬学部だとそういった機会がないと思っていましたが、星薬科大学にはいくつかの留学プログラムがあり、その中でこのプログラムに興味を持ちました。日本語が通じない環境、自身の行動力、積極性が求められる環境下で、自分はどれだけやっていけるのだろうと試してみたい気持ちもあり、応募しました。

授業内容

 初めの1か月は講義がありましたが、参加は自由でした。同じプログラムに参加しているRCSIの学生も興味がある、所属先の指導教員から参加を指定された講義のみ受講しているようでした。1週目は配属の先のラボの方へのあいさつや学校の案内をしてもらい、興味のある講義に参加していました。私は2週目から研究プログラムの実験を開始しました。所属先の研究室で進めているプロジェクトの一部に参加させていただくという形で、てんかんの一種であるドラべ症候群とが概日リズム関連タンパク質の関連について研究をしました。毎週実験の進捗を報告し、結果についてのディスカッションや次に行う実験について相談しながら、プログラムを進めていきました。

現地生活・オフの過ごし方

食生活

 滞在先ではごはんが出ないため、基本的には近くのスーパーで食材を買って自炊をしていました。個人的には料理が好きなので、苦ではありませんでした。日本からもインスタントの味噌汁やパックごはんなどを念のために持っていきました。食べていたものとしては、朝はヨーグルトやフルーツ、パン、お昼は家からつくったサンドウィッチや前日の夕食の残り持っていくときもありましたが、週3ぐらいで大学の学食を利用していました。夜は自分でお肉を焼く、サラダやスープをつくるなどして食べていました。どこの家にも必ずオーブンがついていて、スーパーにもオーブン調理するだけでできるものが売っているので、そういったものも利用していました。たまにラボのメンバーに誘われて外で食事することもありました。学食は日替わりのメニューがカレーやフィッシュアンドチップスで、ベジタリアン向けのメニューもあり、値段は5.75ユーロでした。自分でカスタマイズできるサンドウィッチやサラダ、パスタなどもあり、それは4.85ユーロでした。味はおいしかったですし、メニューもアイルランド料理というよりかは、いろいろな国の料理が出てくる感じで、毎回違う国の料理を食べることができたので良かったです。スーパーに並んでいる食材も日本とは全く違うので、そのようなところでも日本との違いを感じることができて面白かったです。

滞在先

 大学(Dublin2)からバスで30分ほどの場所(Dublin3)にホームステイをしていました。ホームステイ先は自分でhomestay.comというサイトで探して見つけました。ルームメイトがフランス出身の女の子で夕食時にキッチンで会うので少し話をしたり、休日には一緒に出かけたりもしていました。

気候

 7月でも気温が20℃を超えることはめずらしく、日中は15℃ほどで薄手の長袖に、ジャケットを着ていました。半袖を着ることはほぼなかったです。すごく快適でした。天気が変わりやすく、短時間でやむ小雨が週に2回ほど降ります。曇りの日も多かったですが、想像していたよりは晴れている日が多かったです。また、緯度が高いせいか、空がすごくきれいで虹をみることも多く、滞在中に空の写真をたくさん撮りました。

治安

 治安の悪さを感じる出来事はありませんでした。夏は白夜なので夜の10時まで明るく、その時間に出歩いても危険を感じることはなかったです。滞在していた家の近くでは夜の9時ぐらいまで、近所の人が散歩やピクニック、子どもが遊んでいました。裏路地などに行かない限りは安全だと思います。

休日の過ごし方 

 土日のどちらかには毎週観光に行っていました。ダブリン城やトリニティカレッジ、グレンダロッホやモハーの断崖に行きました。距離が近く航空券が安かったため、イギリスのロンドンにも週末に行きました。ラボのメンバーとハイキングに行ったこともあります。アイルランドは自然が多く、天気が良ければきれいな景色をたくさん見ることができます。旅行するよりは長く滞在していたので有名な観光地だけでなく、地元の人が行くような場所も楽しむことができて良かったです。出かけない日は洗濯や食材の買い出し、日本にいる親や友達と電話をして過ごしていました。

その他

 アイルランドはキャッシュレス決済が多く、現金も使用可能ですが、スマホにクレジットカードを登録してほとんどタッチ決済で済ませる人が多く、自分もそうしていました。
アイスクリームショップが夜の11時まで営業していることがとても印象的でした。

参加して良かったと思うこと・学んだこと・成長したと思うこと

 留学前の準備の段階からプログラムに参加するための英語での面接や航空券、滞在先の手配、必要書類を揃えるなどはじめてのことをたくさん経験しました。アイルランドに行く途中も飛行機の乗り換えがきちんとできるか、物を取られたりしないか、滞在先に本当に滞在できるのかなど、普段なら考える必要のないことを考えて神経を使いました。
アイルランドについてからは当たり前ですが、日本と景色も食事も言語も違うので、ホストマザーと話したり、スーパーに行ったり、大学でさえも不安でしたが、1週間もすれば慣れてきて日本との違いを楽しんだり、自分で調べて解決したり、大学でできた友達にわからないことは聞くなどだんだん対処できるようになりました。海外での生活は初めてだったので、毎日の生活と大学での研究活動のどちらも毎日が新鮮で新しい発見の連続でした。
 普段日本で研究している分野とは全く違いましたが、実験方法が同じだったため、ラボでの活動はすぐに慣れました。自分で行った実験結果を指導教員に見せたときに、データがすごくきれいだとほめていただいたことがありました。その実験方法が3年生の時にうまくできずに何度も練習してできるようになった実験方法で行ったもので、今までの大学での研究経験を生かすことができたと感じた出来事でしたし、これ以外にも、データでほめていただけることが多く、自分がやってきたことは無駄ではなかったのだとすごく自信がつきました。
 英語の面では、最初はうまく聞き取りができなかったり、英語がうまく出てこなかったりして、どうしようかと思いましたが、言いたかったことをメモに書いておいて、後で調べたり、簡単な表現に言い換えるなどしてコミュニケーションをとっていました。英語が上達したかどうかは自分では正直よくわかりませんが、英語を話す際の抵抗感のようなものがなくなり、英語を使うハードルが下がりました。もっと話せるようになりたいと思ったので、自身の英語の能力を向上させるためにもっと勉強しようとも思いました。また、いろいろな国の友人ができました。ひとりの人から輪が広がって多くの人と関わり、更に仲良くなった人とは連絡先を交換したり、遊びに行ったりしました。世界中に友達ができて、いろいろな話ができたことで、価値観や文化の違いを感じ、世界は広いと実感しました。2か月という短い期間でしたが、自分でも驚くくらい沢山の経験ができたと思います。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

 今後も研究活動をやっていくうえで英語は必要なものだと思うので、必要な場面でこの経験を生かしていきたいです。また、今回RCSIの研究室で携わったテーマと、自分が生薬学研究室で取り組んでいるテーマに共通点があるため、共同研究等ができれば嬉しいです。

最後に

 私は英語が得意ではありません。ただ、人と話すのは好きなので、会話したい一心で留学中は英語を話すのを何とか頑張りました。実は高校生の時に英語が得意ではないからという理由で、留学プログラムに応募の段階であきらめことがあります。そのことをずっと後悔していて、今回は率直に行きたいと思ったので、落ちてもいいから応募しようと思い、結果的にプログラムに参加することができました。
 もし、留学に少しでも興味のある、特に研究が好きという方はぜひ応募してください。海外の研究教育現場に触れることの出来るこのプログラムはなかなかないので、貴重な経験ができると思います。
 最後に、2か月間RCSIでサポートしていただいたDr.Cristinaをはじめとしたimmunologyラボの方々、生薬学研究室の森田先生、金田先生、平澤先生 、留学前からその後もサポートしていただいた阿美様、Dr.Fiona、そして国際交流委員の先生方に厚く御礼申し上げます。

星薬科大学 2024年度留学生 K.S.さん

はじめに(参加動機や目的など)

 私は、自分の進路として進学を考えており、また将来的に海外で活動ができたら嬉しいと思っています。海外での研究室活動がどのようなものなのか、海外で生活することが自分にできるのかを知ることができる滅多にない良い機会だと思い参加を希望しました。また、自身の現在の英語力を客観的に知ること、英語力を上達させることも目的に参加することを決めました。

授業内容

 活動内容としては、基本的に二か月間研究室での活動が主でした。授業もありましたが、あくまで受けることができるというだけで強制ではなく、最初に配られる時間割を見て興味のある授業があれば見に行くというような感じでした。私が所属させていただいた研究室では、基本的に指導者の方がいるときに研究活動があってその日にやることを指示していただくという方法で研究を進めており、指導者の方がいない日は関連する論文を読んだり、データをまとめたりなどして過ごしていました。ほかの研究室では異なる進め方をしていることもあったと記憶しているので配属された研究室次第かなと思います。

現地生活・オフの過ごし方

滞在先

 私は、ホームステイではなく寮(RCSIのものではない)に滞在していました。場所はRCSIまでLUASといわれる路面電車に乗って25分ほどの所でした。寮から二分ほどのところに駅があったので、通学面ではとても便利なところでした。

食生活

 私は、ホームステイではなく寮(RCSIのものではない)に滞在していました。場所はRCSIまでLUASといわれる路面電車に乗って25分ほどの所でした。寮から二分ほどのところに駅があったので、通学面ではとても便利なところでした。

気候

 日本の6-8月とは比べ物にならないほど過ごしやすい気候でした。アイルランドに行く前は、もう少し寒いと思って準備していたのですが、思ったより寒くありませんでした。日によって結構変わるのと、時間によっても結構変わるので、服の上に羽織ることができるものはだいぶ重宝しました。雨に関してですが、日本ほど強い雨が降ることはなく、弱い雨がサーっと降ってすぐ止むということが多かったと記憶しています。そのせいなのか、傘をさしている人がそこまでいませんでした。私も折り畳み傘を持って行ったにも関わらず、ウィンドブレーカーのフードをかぶるのみで傘を差さずに過ごしていました。

治安

 治安に関しては、基本的に良いところが多いという感じの印象でした。人通りの多いところは治安は悪くないと思います。道を歩いていてもLUASなどに乗っていても、何かを盗られたりなどといった経験はありませんでした(私が警戒していたのもあると思いますが)。ただ、人通りの少ない場所や少し入り組んでいるところなど、あまり近づきたくないと思ったところはありました。また、パブの文化があるからなのか、時間関係なく酩酊されている方や、道に寝転がっている人がいたりしたので、そういう人にはなるべく近づかないようにと気を付けていました。また、日本と違って日が落ちるのが22時くらいなのですが、外が明るいからといって夜遅い時間に出歩くことがないように気を付けていました。

休日の過ごし方

 休日は、ツアーなどに参加して様々なところに行っていました。ダブリンの周辺から、アイルランドの西側、北アイルランド、国をまたいでロンドンに行ったこともありました。留学で研究に来ているとはいえ、せっかくアイルランドに来ているのでいろんな場所に行かない手はない、という心持ちで少し無理もしつつとても楽しい休日を過ごしていました。

参加して良かったと思うこと・学んだこと・成長したと思うこと

 普段の研究室と異なる、海外の研究室で実際に活動できたことは、将来その方面での進路を視野に入れている私にとってとても重要な経験になりました。また、日常的な単語だけでなく、ただ海外に住むだけでは使わない、研究活動で使うような専門的な単語に触れる機会があってとても良かったと思います。成長を感じたときは、研究活動中も友人たちと話しているときも、やはり自分が伝えたいことが相手に伝わった瞬間でした。たどたどしい英語でも、とりあえず単語をつないで相手に伝える意思がとても大切だと改めて感じることができました。

この経験を今後どのように活かしていきたいか

 今回の留学で自分の英語力がまだまだ足りないことを実感できました。ですが、アイルランドへ旅立ってから2ヶ月、日本に帰ってくるまでしっかり生活し無事に帰ってきたことは事実なので、それは忘れずに、少し自信のないことでも思い切って挑戦し続けていきたいと思います。また、今回の留学中に得た繋がりを大事に、連絡を取り続け、留学中の英語を学ぶ姿勢を忘れずに英語力を更に上達させていきたいと思います。

最後に

 

今回の留学を無事に楽しく終えることができたのは、星薬科大学の留学担当の方々、RCSIで留学生の私に対して親切にしてくださった先生方、私が聞き取れなかった時や、うまく言葉にできなかった時に助けてくれたり時間をくれたりしたバディの子や友人たちのおかげであり、とても感謝しています。

もし、留学に行くことを迷っていて、その理由が自身の英語力や自信のなさなのであれば、とりあえず挑戦してみることをお勧めします。このようなプログラムで海外の研究室を体験できる機会というのは滅多にないですし、この時期のこのプログラムが最後だと思います。私も少し迷っていたのですが、なるようになると半ば勢いで申し込んだ節がありました。そんな私ですが、とても親切な先生方や友人たちに助けられながら、二か月のプログラムを楽しく終えることができました。日本に帰ってきた今でも、アイルランドで知り合った友人と連絡をとりあっており、このつながりを大切にしていきたいと思っています。

留学に行くのことが大事なのではなく、留学に行った後も自分で努力する必要があり、目的がなくだらだらと過ごすだけではもったいないですが、留学は、将来の視野を広げるためにとても有用なものであったと実感しています。もし、将来進学の選択肢や、海外で活動するという選択肢が少しでもあるなら留学に挑戦してみることをお勧めします。

 

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