INTERVIEW

予防医学から美容まで、東洋と西洋の薬学を結び、人々の健康を総合的にサポート

薬学科2012年卒業
株式会社kampo lab 代表取締役/薬剤師/国際中医師/国際薬膳管理師
山口 りりこさん

西洋医学と東洋医学、二つの視点で
健康な暮らしをトータルサポート。

株式会社kampo lab 代表取締役である山口りりこさんは、予防医学とオーダーメイド医療への関心から薬剤師を志し、今では東西医学の知見を組み合わせた新しいアプローチで患者さんをサポートするとともに、漢方鍼灸院と薬膳料理店の経営を通じても人々の健康をサポートしています。
「私はもともと予防医学に興味があって薬剤師を目指しました。美容にも関心があり、サプリメントなど内側からの美容にも注目していたんです。そして、卒業後に漢方薬メーカーに就職したことで、東洋医学の世界にのめり込んでいきました。資格を持つ国際中医師とは、中国の伝統医学『中医学』のスキルと知識を証明する国際的な資格です。西洋医学が病気を細かく診断することを得意とする一方で、中医学を含む東洋医学は体全体を見渡し、健康全般の改善に取り組む点で視点が異なります。例えば、西洋医学では内科、眼科、皮膚科といった専門分化が特徴ですが、漢方医学では胃の痛みといった症状一つから、皮膚の状態や体温調節機能など、全身を総合的に診るアプローチが取られます」
現在は不妊治療や婦人科系の悩みから、がんなどの重篤な疾患まで、幅広い相談に対応しています。特に通院患者さんとの距離の近さを大切にしており、月1回、あるいは不妊治療など特にサポートが必要な場合は2週間に1回のペースで診察を行い、きめ細かなケアを提供しています。
「西洋医学の治療と並行して漢方を取り入れることで症状が改善された方を見るのが、最大の喜びです。特に免疫系の疾患で、ステロイドや抗がん剤による治療を受けている方の場合、それらのお薬は必要不可欠ですが、副作用による苦痛も大きい。そうした日常的な痛みやしんどさを和らげることができるのも、漢方の強みです」

医療のチームプレイヤーとして、新しい可能性を追求。
薬剤師だからこそできる、暮らしに寄り添った健康支援。

山口さんは、薬剤師という立場を活かし、様々な専門家とのチームプレイで患者をサポートしています。例えば、ピラティスのインストラクターと連携し、体の不調を総合的に改善するアプローチを行っています。
「ピラティスの先生から『この方の背中のここの動きが悪い』という情報をいただくと、それを経絡の観点から見直して『胃の調子が悪いのかもしれない』といった形で、体の不調を多角的に捉えることができます。特にストレスが体に出やすい職業の方には、とても効果的なアプローチとなっています」
また、薬剤師の資格を持つことは、患者さんとの信頼関係構築にも大きな役割を果たしています。
「患者さんから『この薬を飲んでいます』と言われた時に、すぐに理解できることだけでも安心感につながります。病気の詳細まではわからなくても、どういった薬が使われるかの予測がつくので、より深い会話ができる。それが患者さんとの距離を近づける要因の一つになっています。そもそも、薬剤師という立場は医療の中でも独特です。患者さんの話をじっくり聞ける立場にいて、医療従事者の中でもより身近な存在として相談に乗れる。風邪で病院に行くべきかどうかの判断から、体質改善のアドバイスまで、近い立場だからこそできるサポートがたくさんあります。これからの薬剤師は、もっとそういった可能性を追求していくべきだと思います」

星薬科大学での学びが育んだ、探究心と人とのつながり。

山口さんの多角的なアプローチの原点は、星薬科大学での経験に遡ります。
特に研究室での経験は、現在の仕事にも大きく活きていると語ります。 「研究というと、なにか大それたことのように感じていましたが、実際は日々の地道な積み重ねでした。今の仕事でも、店舗経営や商品開発というと華やかに見えますが、そこに至るまでの過程は本当に地味な日々の努力の積み重ね。その大切さを学べたのが星薬でした」
また、星薬科大学の特徴的な環境も、山口さんの成長に大きく貢献しています。
「星薬はコンパクトな大学で、みんな同じ薬剤師免許を目指す仲間。でも将来の展望は様々で、その中で多様な考え方に触れることができました。さらに、都心という立地を活かして、様々な人と出会える環境が整っているのも大きな特徴です。
学生時代というのは、様々な可能性に触れられる貴重な時期です。特に星薬は都心にあり、多様な人々との出会いの機会に恵まれています。アットホームな環境は素晴らしいですが、そこに留まらず、積極的に様々な職業の方や異なる年齢層の人々と関わってほしい。学生という立場は、社会人になってからは得られない大きなアドバンテージになります。その特権を活かして、たくさんの経験を積んでください。その経験は必ず、将来の糧となるはずです」

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